小中学校教員99人不足している 「あってはならないこと」教育長

12月9日秋山もえ県議が一般質問を行い、小中学校教員の未配置・未補充問題や、臨時的任用教員問題を取り上げました。

家庭科の教員6か月も補充されず

産休・育休・病休などで教員が休職する際に代員が補充されない状態を未補充、定数上教員の穴埋めができない状態を未配置と呼びます。秋山もえ県議は、上尾市の教員からのヒアリングをもとに、小中学校で未配置・未補充が頻発し、教員の負担をより重くしていると指摘しました。ある中学校では、家庭科教員の産休代替が6か月たっても補充されず、3つの中学校からかわるがわる家庭科の先生が兼務で通ってきているという例も紹介しました。

もえ県議が、担当課に確認したところ、全県の小中学校未配置・未補充は、11月1日時点で合計99人にのぼっています。

これに対して教育長は「長期間にわたり教員の未配置・未補充の状況が続いていることを重く受け止めており、早期に解消すべき課題であると認識している」と表明しました。

県教委が未配置・未補充を把握して

もえ県議は、「県教委が、この問題に無関心すぎると言わざるを得ません。こちらから資料を要求した時にだけ未配置・未補充の数を調査する。過去の状況は把握していないので経年での推移は資料すらありません」と指摘。「県教委が定期的に未配置・未補充の状況を把握し、責任をもって代員補充を行うべき」と提案しました。教育長は「今年度は8回の調査を計画、定期的な状況把握を行う」と約束しました。

根本問題=教員定数に対して正規教員が89%

もえ県議は、「そもそも埼玉県は、定数に対する正規教員率が89%です。一方、東京都は105%と定数を上回っています。私は、ぎりぎりで対応をするのではなく、多数の正規教員を採用して教育現場に余裕を取り戻すべきだと考えます」と根本的な提案をしました。しかし教育長は「今後も、中長期的な視点に立ち、児童生徒数、退職者数、再任用者数の推移などを的確に見極め、正規の教員の採用を行う」と答弁。これに対してもえ県議は「未配置・未補充を重く受け止めていると答弁があったが実行性のある対策がうたれるという気がしない」と厳しく指摘。教育長は再び「未配置・未補充の状況が続いていることは、児童生徒の教育に影響を及ぼしかねないということもありますので、大きな課題だというふうに私自身受け止めております」と述べたものの、正規教員採用増については明言しませんでした。

定数内は臨任教員ではなく正規に

もえ県議は、埼玉県の臨時的任用教員は3746人、全体の約1割にあたります。特別支援学校についていえば平均が15%であり、学校によっては3割もの先生が臨任教員です」「毎年3月の半ばを過ぎても、翌年の雇用が決まらないなど、不安定な状況に置かれています」「教育長、私は定数内の臨任教員はすべて正規の教員にすべきだと考えます」と指摘し、「臨任教員について、研究授業の評価を試験科目とするなど、現場での奮闘が生かされる試験制度を導入すべき」と追及しました。

臨任教員の勤務経験や実績を、面接試験の中で適切に評価する

教育長は「臨時的任用教員の勤務経験や実績を、面接試験の中で適切に評価する」と答弁しました。

また臨任教員に対して「4月8日着任に変更され、これによって、4月分の通勤手当が支給されなくなった。ボーナスの基準日をわざと外して着任とされたなど、いじめとも言われかねない扱いが横行している」というもえ県議の指摘について「臨時的任用教員の任期や勤務条件等を明確に示すことは重要であると認識している」と答弁しました。