187教室もの不足解消へ、特別支援学校の増設・整備はさらなる計画が必要

12月7日村岡正嗣県議は一般質問を行い、災害時の避難計画や避難所感染防止、特別支援学校の過密解消について取り上げました。

特支学校児童生徒は当面増加する

わが党は、特別支援学校の増設・整備を求めてきました。文部科学省の「令和元年度 公立特別支援学校の教室不足調査結果」によると、埼玉県は187の教室不足です。そのため県教委は「埼玉県特別支援教育環境整備計画」に基づき、戸田かけはし高等特別支援学校(仮称)や県東部地域特別支援学校(仮称)の整備や、松伏、宮代、上尾南・北本高校内の分校設置を決めています。村岡県議は「分校設置で187の教室不足は解消されるのか」とさらなる増設・整備を求めました。教育長は「児童生徒数は当面増加することが見込まれることから、私自身も過密状況の解消には更なる取組が必要と認識している。今後とも、将来の児童生徒数の推移を見極めながら、特別支援学校の過密解消に向けて取り組んでいく」と答弁しました。

特支の設置基準策定、国に要望を

また、県議は「特別支援学校の教室不足の根本原因は、ひと教室は何人で使うなどの設置基準がないことだが、中央教育審議会は9月28日、ついに特別支援学校設置基準の策定や教室不足の解消にむけた施設整備の推進を国に求めた」として、すべての特別支援学校の過密・マンモス校の解消と教室不足の抜本的な解消、特別支援教育の充実につながる設置基準となるよう、国に強く要望すべきだと教育長に要求。教育長は「特別支援学校の教育環境の充実につながるよう、引き続き様々な機会を捉えて国に強く要望していく」と答弁しました。

村岡県議は2月一般質問引き続き、川口の肢体不自由児のための特別支援学校設置への検討状況と設置への決意を確認し、教育長は「引き続き、川口市教委と情報交換を行いながら、肢体不自由特別支援学校の設置の可能性も含め、しっかりと取り組んでいく」と答えました。

自治会が民生委員と避難行動要支援者を戸別訪問

村岡県議は、読売新聞に紹介されたさいたま市大宮区三橋地区の自治会の災害避難要支援者の個別計画づくりを視察した経験を語りました。「自治会役員と民生委員が合同で個別訪問調査を行い、真に見守りの必要な方を把握するため、地図落としや見守り実施責任体制表の作成、避難行動要支援者の施設利用者登録名簿の作成を行っています。」

また、同自治会の見守り支援者連絡カードを4枚つくり、要支援者の方、その方を見守る近隣の方、担当する自治会役員と民生委員、がそれぞれ持って災害時には助け合うシステムも紹介。

福祉避難所と自治会が協定結び

また自治会は、地域の特養ホームにお願いをして、避難の際、一時避難所への移動が困難な介護度の重い住民は、ダイレクトに受け入れてもらえるよう協定を結んでいます。逆に自治会は、災害の迫った時、特養ホーム入居者を2階へ避難させるお手伝いをするそうです。地域内の二つの医療機関とも協定を結び、災害でけが人が出た場合は、診察してもらえるようにしています。

市町村の個別計画策定率は38%

村岡県議は、現在、本県での避難行動要支援者名簿に基づく情報同意者に対する個別計画の作成率は38%にとどまっています。「ぜひ、県としてこの事例に学んで、市町村を励まし個別計画の作成にリーダーシップを果たして頂きたい」と求めました。

山崎達也福祉部長は、「大宮区三橋4丁目自治会の取組は、計画の上でお一人の方に責任や負担が集中しないよう、地域住民が相互に補完し合いながら地域の避難行動要支援者に関わっている事例であり、計画作成の推進に向け大変参考となる事例と考える」として、市町村に対する研修会などで積極的に情報提供していくと答えました。