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知事提出議案に反対討論ー水道用水・工水料金引き上げ撤回を
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城下県議の知事提出議案に対する反対討論ー議員報酬引き上げにつながる議案は認められない
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12月定例会をふりかえって
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12月20日 12月定例会の閉会日。日本共産党秋山もえ県議は、2018年度決算について反対の討論を行いました。討論は以下の通りです。
日本共産党の秋山もえです。党県議団を代表して、第91号議案「平成30年度埼玉県の一般会計及び特別会計の決算の認定について」と第92号議案「平成30年度埼玉県公営企業会計決算の認定について」反対の立場から討論を行います。
まず、第91号議案「平成30年度埼玉県の一般会計及び特別会計の決算の認定について」主な反対理由を述べます。
◆第一の理由は、不要不急の水資源開発事業の治水部分に対し、16億8018万9000円の予算が執行されたからです。
台風第19号の際、「八ッ場ダムが利根川の決壊を防いだ」というような話がネット上に飛び交いました。しかし、実際は、栗橋地点で堤防まで余裕高が2・6メートルありました。八ッ場ダムの治水効果については、国交省の詳細な資料にもとづく試算によれば、八ッ場ダムが貢献したのは、水位をたった17㎝引き下げただけであり、八ッ場ダムがなくても利根川中流部が氾濫する状況ではなかったということです。
むしろ、利根川の水位が計画高水位の近くまで上昇した理由のひとつとして、適宜実施すべき河床掘削作業が十分行われていない、という問題があります。
国交省が定めている利根川河川整備計画では、計画高水位9.9メートルに対応する河道目標流量は、毎秒1万4000立方メートルですが、適切な河床掘削が行われていなかったため、今回の流量は河道目標流量より毎秒2300立方メートルも小さくなりました。
もし、適宜、河床掘削が行われていれば、今回の洪水ピーク水位は70㎝程度下がっていたと試算されています。八ッ場ダムの小さな治水効果を期待することよりも、河床掘削を適宜おこなって河床面の維持に努めることの方がはるかに重要です。
また、今回は、試験湛水中であったため八ッ場ダムに7500万立方メートル貯めることができました。しかし、通常ならば、すでに9000万立方メートル貯められており、緊急放流する事態です。
八ッ場ダムの総事業費は約6500億円にもなりますが、もし八ッ場ダムをつくらず、この費用を使って利根川本川支川の河道整備を進めていれば、利根川流域全体の治水安全度は飛躍的に高まっていたはずです。治水上、不要不急なダム計画であり反対です。
◆第二の理由は、重度心身障害者医療費助成制度に、平成30年度は所得制限を持ち込み、平成31年1月から3月までの三か月間だけ見ても所得制限となった方が85人いらっしゃいます。また、年齢制限により対象外となった方が6068人です。制度維持を理由としながら、毎年、助成決算額は減り続けており、所得制限を導入する理由はありません。
◆第三の理由は、学力の「伸び」を見るということのみに軸を置き、小学4年生から中学3年生までの児童生徒すべてを対象とした「世界でも類を見ないような」県の学力学習状況調査、いわゆる県独自の学力テストに2億円以上投入しているからです。こうした学力調査の対象となるのは、学力の一部であると文科省もみとめているところであります。児童生徒の学力の一部の伸びを見るためだけに、これだけの税金を費やすならば、むしろ現場の教員が望む、少人数学級への支援を進め、教師の定数を増員して、先生方が余裕をもって子どもたちに向き合えるような教育環境を整えていくことこそが、政治の責任であると考えます。
◆第四の理由は、平成30年度から国民健康保険の広域化がスタートし、県の国保運営方針にもとづき、国保税の値上げが誘導され国保税を値上げした自治体が22自治体あったからです。県が示した2方式への誘導は、「均等割」増のような多子世帯の負担増にもつながりました。
また、県は保険者努力支援制度で約30億円の市町村への配分を、こともあろうに国保税の収納率が高いところに傾斜配分されたとのことですが、本来ならば国保の保険事業にかかわる部分で力を入れている市町村にこそ配分されてしかるべきであります。
続いて第92号議案「平成30年度埼玉県公営企業会計決算の認定について」です。
水道用水供給事業会計決算ですが、八ッ場ダム、思川開発の水資源開発施設にかかわる利水部分へ、85億9703万1000円の予算執行が行われました。平成9年度から平成29年度の20年間で、年間給水量は約6878万立方メートルも減っています。
人口減少、水あまり社会を前に、利水上においても不要な水資源開発に、莫大な税金を投入すべきではないことから反対です。