知事提出議案反対討論
日本共産党の柳下礼子です。
党議員団を代表して、知事提出の
第1号議案 「平成29年度埼玉県一般会計予算」
第15号議案 「平成29年度埼玉県病院事業会計予算」
第17号議案 「平成29年度埼玉県水道用水供給事業会計予算」
第19号議案 「平成29年度埼玉県流域下水道事業会計予算」
第26号議案 「埼玉県病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例」
第38号議案 「埼玉県地域強靭化計画の策定について」
第55号議案 「平成28年度埼玉県水道用水供給事業会計補正予算(第1号)」
に対する反対討論をおこないます。
まず、第1号議案については、以下の理由から反対いたします。
第1に、八ッ場ダム13億890万円、思川開発3030万円の負担金ですが、治水上も利水上も必要のない大型ダム事業は認められません。思川開発は、南摩ダム建設を中核とするものですが、建設予定地の南摩川はわずかな水しか流れず、「水のたまらないダム」です。そのため、別の川から二本の導水路を建設しなければならず、総額1850億円もの大事業となっています。このような不要不急の巨大ダム事業に、県は治水分約30億円、利水分で約79億円にのぼる負担金を支払います。昨年8月に国は事業継続を決定しましたが、将来にわたり県民に大きな負担を押しつけることは許されず、思川開発からはただちに撤退すべきです。
第2に、乳幼児医療費助成制度など県単独3医療費助成制度については、市町村への県の補助率は基本2分の1ですが、豊かな財政力を理由に三芳町と和光市は12分の5、戸田市は3分の1としています。各自治体の責任はなんら変わらず、このような差別的な措置は直ちになくすべきです。また、重度心身障害者医療費助成制度については、65才以上の新規手帳取得者を対象から除外する年齢差別は認められません。乳幼児医療費助成制度については、県民の強い願いとなっている対象年齢の拡大に依然として背をむけ続けることは許されません。3医療費助成制度は、県内どの病院に通っても償還払いを必要としない現物給付とすべきです。
第3に、農林部の給与費について、研究補助員を4人減らすなど、年々減少させてきた農林部職員をさらに削減することは認められません。2016年度の農林部の職員定数は、5年前より26人も減少しています。農家を実際に支援する県普及指導員も5年前の151人から138人へと13人減らしました。このままでは、新規就農者を含め一人ひとりの農家への丁寧な指導を進めることはできません。
山形県や高知県では、知事がみずから陣頭指揮をとって県内農産物の商品開発や販路拡大に必死に取り組むなか、埼玉の農林部職員を減らし続けることは、埼玉農業のさらなる衰退をまねくものと言わざるをえません。
第4に、子どもの学力形成に有害な全国学力テストを行う学力・学習状況調査実施事業費2億1,556万円は計上すべきではありません。
第5に、国民のプライバシーを危険にさらすマイナンバー制度は今からでも中止すべきであり、番号制度基盤整備事業費2,737万5千円は認められません。
第15号議案並びに第26号議案については関連していますので、一括して討論します。第26号議案は、県立病院の診療時間外の診療料金を導入し、2017年度から県立小児医療センターで8,640円を徴収するものです。このような制度は、公的医療機関になじまず、保護者の料金支払い能力で子どもが差別されるべきではありません。第15号議案も時間外の診療料金の徴収を前提にしていることから認められません。
第17号議案は八ツ場ダム、霞ヶ浦導水、思川開発のダム事業予算の計上により、関連する第55号議案もダム事業の継続費を増額補正するため、認められせん。
第19号議案は、南部、中川、古利根、荒川上流の各流域下水道の負担金引き上げが関係市町村の下水道料金の値上げにつながることから反対です。
第38号議案は、2013年12月に成立した「国土強靭化基本法」にもとづき県が策定した基本計画です。わが党は、同法について、防災・減災対策がないがしろにされ、巨大開発事業の復活・拡大を進める根拠になりうることなどから反対をしたところです。県の計画でも、八ッ場ダムなどダム事業を推進しており、認められません。
以上