9月定例会が23日から開会されます。一般会計補正予算を含む16件の議案が提出される予定です。
福島第1原発事故の避難者の願いに応え
福島県は、災害救助法に基づき、全国に及ぶ避難者に住居を無償提供してきましたが、昨年6月に、自主避難者については無償提供を2017年3月末で打ち切ると表明しました。埼玉県内には約1000人もの自主避難者がおられますが、県営住宅に居住する方たちから、それ以降も引き続き県営住宅に居住させてほしいという要望がだされ、党県議団も6月定例会一般質問で取り上げていました。「埼玉県特別県営住宅の条例の一部を改正する条例」は避難者の要望に沿う形で、条例改正を行うものです。
八ッ場ダムの追加負担額、埼玉県は88億円の増!!
「八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に係る意見について」は、八ッ場ダムの建設費の増額について、国土交通省から意見を求められたため、議会の議決を求めるものです。八ッ場ダムは、利水と治水などを目的に、群馬県長野原町に建設中の国直轄事業です。埼玉県の他、群馬県・千葉県・茨城県・栃木県・東京都が負担をしています。総建設費は2004年に2110億円から4600億円に増額されました。今回はこの4600億円を5320億円に引き上げるものです。これによる埼玉県の負担増は88億円となります。また、埼玉県の総負担額は658億円あまりとなります。
埼玉県議会は4600億円に増額された2004年2月定例会で「これ以上建設工事費を増額しないこと」との決議をあげています。上田知事はこの時の増額について「4600億円が不当に値上がりしたといいう考え方をもっておりますし、国土交通省においてもこの4600億円を引き下げる努力をするという約束をしておられますので、その枠内で納めていただく仕組みだという風に私は理解している」と述べています。
党県議団は、八ッ場ダムについて、県水の年間供給量が下がる一方であり利水上必要がないこと、また、基準点での水位の低減がわずかであることから治水効果も不十分であることなどから、八ッ場ダムの建設中止を求めてきました。また4600億円に増額して以降は、建設予定地の地盤が脆弱であることから、建設費の増額の可能性を指摘していました。
イオンなどの水耕トマト栽培施設に県の補助
一般会計補正予算には「次世代技術実証・普及センターの整備」として総額1億4433万円あまりが設定されています。イオンなどによる大規模トマト水耕栽培工場に対して、国・県から助成をする計画です。水耕栽培によって大量のトマトが市場に流出すると、この二月定例会で価格の暴落を招くとして事業費の執行停止が議会決議されていました。県は水耕栽培に加えて土耕栽培施設も併設し実証データを管理することによって、議会の理解を得る考えのようです。
そのほか、国保の都道府県運営のため「国民健康保険事業運営に関する重要事項を審議する協議会」の設置や、埼玉県の医療病床数についての構想を追加する「埼玉県地域保健医療計画の変更について」の議案が提出される予定です。