県立久喜・熊谷図書館を存続し、発展を―県教委に申し入れ

4月25日、城下のり子・伊藤はつみ県議は、県教育長に対して「県立熊谷・久喜図書館の存続・拡充を求める要望書」を熊谷市議団・久喜市議団とともに手渡し、懇談しました。

 

埼玉県教委は、北部地域振興交流拠点施設に窓口をおく新図書館を新設し、久喜市と熊谷市にある現県立図書館2館を廃止する方針を決定しました。新図書館は、デジタル化を徹底して進め、閲覧スペースは最小限として、将来は「非来館型」サービスを中心としていく構想です。

県立久喜図書館は、デジタルデイジーをはじめとしたバリアフリー図書の普及や、特別支援学校への読書支援、数十人ものボランティア組織など、県立熊谷図書館も、外国人読書支援や起業家支援など、いずれも市町村の模範となる優れた取り組みを行っています。一方で、新図書館は、「非来館型」としており、これでは、両館の積み重ねを断ち切ることになります。

図書館法第3条には図書館の事業として、資料収集や資料への相談・貸出業務とともに「読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を主催し、及びこれらの開催を奨励すること」をあげています。読書は、ただ貸し借りにとどまるのではなく、人が集まる多種のとりくみとともに、親しまれ普及していくからです。

石川県立図書館は、本を選びやすい開架スペース、長く滞在できる椅子など「人が集まる」工夫を凝らすことによって、年間100万人の来館者数を達成し「図書館の中の図書館」と呼ばれています。新県立図書館は、人影もないさびしい「非来館型」ではなく、多種多様な人々が集まり、読書の楽しさが広がる市町村図書館の模範とすべきです。

要望書は、

①北部地域振興交流拠点施設には現熊谷図書館の伝統をひきつぎ発展させた図書館を新設すること。

②県立久喜図書館は現在地に存続させ、地元市で庁舎など拡充する際には合築して互いに発展できるよう協議すること

2点を要望しています。

はじめに城下のり子県議が要望の趣旨を説明。

久喜の渡辺昌代市議は、「10年ぐらい前に、県立久喜図書館廃止という話が出て、議会も存続決議をあげて存続となりました。そして、今回の話で、市民からは『またなくなるの?』など残してほしいという声が上がっています。

図書館の老朽化も進み、(隣の)久喜市役所増築問題も出てきていて、議会としてはいずれ決議か県への要望書を出したいと考えています。

県立図書館は久喜市の教育に深く入り込んでいます。小学校にもボランティアの人が足を運んでくれています。久喜市と深い歴史のある図書館を存続してほしいです」など発言しました。

伊藤はつみ県議は「日頃、図書館を利用しない人がふらっとこれる図書館が必要です」など発言。

教育長は

「強い気持ちは理解しました。県立図書館を評価していただき感謝します。

令和5年に基本構想をまとめました。デジタル化時代を踏まえ、全県のどこからでも利用できる図書館を北部拠点に窓口をおき、近隣に書庫をつくる基本計画を策定する予定です。

久喜の図書館存続は難しい。跡地利用については、市とよく話を伺いたいです。

熊谷はDXを進めていくが、なるべく伝統を踏まえたものにしたいです」など話しました。

以上。

県立図書館存続の要望書