埼玉県議会2月定例会が19日開会し、2016年度一般会計当初予算が上程されました。総額は1兆8,805億2,600万円。主要政策として①「稼ぐ力」の強化、②シニア革命、③「人財」の開発の三つの柱をうちだしました。
以下、予算の概要を紹介します。
先端産業創造・企業誘致に重点
「稼ぐ力」の強化では、医療、航空・宇宙など先端産業を創造するための様々なプロジェクトを推進するともに、農業大学校跡地(鶴ヶ島市)を先端産業の集積用地として開発するために17億円を計上しています。さらに、県内に立地する企業に対する不動産取得税相当額を助成するために13億7,000万円を予算化しています。一方、きめ細かな経営相談など小規模事業者への支援が8,000万円、商店街活性化のための集客イベントなどへの助成は4,500万円にすぎません。
介護・福祉分野の人手不足を高齢者で補う
「シニア革命」では、元気な高齢者の活躍支援や地域包括ケアシステムの確立がうたわれ、高齢者等の介護事業所への就労支援などの予算が計上されています。人手不足が深刻な介護・福祉分野の担い手を高齢者で補おうという意図は明らかです。
子育て支援が充実
「人財」の開発では、県民や日本共産党の要望を受けて、3人目の子どもの保育料等を軽減するなど多子世帯への経済的支援に力をいれるとともに、私学助成について年収500万円未満世帯まで授業料・施設費等の実質無償化を拡大します。保育所の受入枠を6,500人分拡大しますが、保育ニーズに比べ、保育所の整備目標数自体が低いという問題は残されたままです。
水害対策が前進 一方八ツ場ダム建設も推進
この間、党県議団が申し入れ、一般質問でも取り上げた水害対策については、新方川の緊急対策10億円を含め60億7,800万円が盛り込まれました。また、保育士、介護職員、看護師などの人材確保・定着促進の予算も大幅に拡充されました。
その他、無駄な大型公共事業の八ツ場ダム建設、思川開発、霞ヶ浦導水事業への一部負担金として46億6,000万円、患者家族、地域住民おきざりで進められる県立小児医療センターの移転・整備に226億4,100万円が計上されています。さらに、順天堂大学付属病院の誘致のための用地確保に63億900万円が盛り込まれました。