12月20日、12月定例会が閉会し、城下のり子団長が談話を公表しました。
12月定例会を振り返って
県水道用水料金の引き上げ議案はじめ12件の知事提出議案に反対
埼玉県議会12月定例会は、「埼玉県水道用水料金徴収条例の一部を改正する条例」はじめ54件の知事提出議案と8件の議員提出議案が可決同意認定されました。党県議団はそのうち知事提出議案12件、議員提出議案2件に反対しました。7件の請願が県民から提出されましたが、6件不採択、1件が継続審査となりました。
生活に欠くことのできない水を低廉な料金で提供=県の責務
県水道用水料金を2026年度より21%引き上げる議案については、①物価が高いという県民の声がうずまく中で、県水道用水の引き上げは認められないこと②過大な水需要計算にもとづく八ツ場ダム・思川開発などの県の政策ミスの責任を県民に押し付けるべきではないこと③料金を引き上げればまた節水対策を促し、水需要が減少するという悪循環に陥り、結果として経営安定化が遠のくことから反対しました。
党県議団は第1に、国からの地方創生臨時交付金をはじめとした一般会計からの繰り入れを行うこと、第2に、黒字化に努めること、第3に、国に対し設備投資への補助割合を大幅に拡充することを強く求めること、第4に、将来的には公営企業経営を見直し、直営として水道法の使命を守ることを県に提案しました。
工業用水35.3%引き上げは、中小企業に打撃
県工業用水料金を35.3%引き上げる議案については、中小企業に打撃をあたえ、撤退や廃業に追い込むことによって契約水量の減少に拍車をかけ、結果として健全経営の確保が難しくなることから反対しました。
荒川左岸南部、荒川右岸及び中川流域下水道の維持管理に要する経費について関係市町の負担金を引き上げる議案については、これ以上県民の負担増は認められないとしました。
西部地域振興ふれあい拠点施設の指定管理事業者の選定議案には、利用料金を大幅に引き上げる提案をした事業者を指定していることから賛成できません。
デジタルデバイド(情報弱者)差別は認められない
パスポート発給手数料について、現行、書面申請でも、オンライン申請でも2000円だったものを、書面申請は値上げ、オンライン申請は値下げとする議案ついては、オンライン申請できない方もいる中で書面申請者とオンライン申請者で料金に差をつけることから認められません。
免許の新規取得や更新時の手数料などを改定について、マイナ免許証は手数料引きさげ、従来の免許証手数料をあげることでマイナカード取得に誘導していることから反対しました。
県議会議員期末手当引き上げに連動する議案は理解をえられない。
副知事、公営企業管理者、下水道事業管理者などの特別職の期末手当の年間支給割合を0.05月分引き上げる議案について、特別職とそれに連動する県議会議員の期末手当引き上げは物価高騰に苦しむ県民の理解が得られないと考えます。
対策のないマイナンバー推進、国保税引き上げなどから一般会計決算不認定
2023年度一般会計と特別会計決算認定については以下の理由から不認定としました。①個人情報が流失する危険があるマイナンバーカードについて、十分な対策もなく、普及を推進してきたこと②証紙の廃止により、免許の更新などの手数料の支払いがキャッシュレスのみとなり、自治体の役務の提供において差別される県民が生まれていること③国民健康保険税が34市町で引き上げられたこと④地域医療構想で高度急性期・急性期病床2345床過剰とし、国の補助によって回復期・慢性期病床への転換に誘導していることからです。
思川開発、流域下水道負担金引き上げ等不認定
公営企業会計決算認定については①思川開発の総事業費が増加している②荒川左岸北部流域下水道の維持管理負担金を38円から46円に、利根川右岸流域下水道の負担金を83円から105円に引き上げたことから不認定としました。
教育への介入許せないー自民党拉致問題条例に反対
自民党提出の拉致問題等の早期解決に向けた条例案が共産党など以外の賛成で可決されました。拉致問題の解決は、外交努力によって実現すべきですが、本条例案は、県や県民に責務を負わせるものであり、この基本的解決の在り方から外れています。また学校教育活動において努力義務をさだめており、本条例成立によって、政治的介入が横行する可能性が非常に高いと懸念します。
知事の原爆被爆者慰霊式出席を要請
伊藤はつみ県議が一般質問で①被団協の構成団体しらさぎ会への支援②保育士の確保など保育所支援③県水道用水料金の引き上げ撤回を④職員の尊厳を踏みにじるセクハラ根絶のために⑤生きている遺産である世界農業遺産への支援を生存権を保障する⑥県営住宅こそ増設などを取り上げました。
特にノーベル賞受賞の被団協構成団体しらさぎ会が主催している被爆80年の原爆被爆者慰霊式への知事の出席を求めましたが、知事は「協議会の要請があれば検討します」と応じました。
再審法改正をもとめる請願など6本を不採択に
県民より提出され党県議団が紹介した請願は、以下のように不採択となりました。
「少人数学級や教員の増員を求めた請願」と「国に対し消費税5%に引き下げる意見書の提出を求める請願」「私学助成の増額などを求める請願」は共産党以外のすべての会派の反対で、「所得税法第56条の廃止を求める請願」「業者婦人の声をどうぞとどけて所得税法第56条廃止を求める請願」は共産党・民主フォーラムなど以外の反対で、「再審法の改正の意見書提出を求める請願」は共産党・民主フォーラム・県民会議以外の反対によって不採択となりました。
「インボイス制度廃止の意見書」提出を求める請願は継続審査となりました。一方自民党提出のインボイス制度廃止の意見書案が採択されました。(公明・県民会議のみ反対)
順天堂撤退にあたり、県立大学医学部設置に立ち返れ
福祉保健医療委員会では順天堂大学新病院の撤退が報告されました。残念なことですが、伊藤はつみ県議は、もともとは医師不足対策として県立大学医学部設置の議会決議に基づいた誘致であったことから、本筋に戻り医学部設置に努力すること、県内医学部や県外医学部学生への奨学金制度について、枠の拡大と2次募集もすべきことなど主張しました。 以上