災害時の備蓄や避難所運営への女性の参加についてあらためて県に聞く

8月6日、城下のり子県議、伊藤はつみ県議は塩川衆議院議員とともに女性の視点を避難所運営に入れるための取り組みや災害時の備蓄についてなど、担当課から説明を受けました。

【木造仮設住宅について】

県は災害時。木造の仮設住宅を設置するために全国木造建設事業協会(全木協)と協定を結んでいると言います。協定に中身は全木協さんに資材や人員の手配を行ってもらい、木造仮設住宅の建設を行ってもらうだけではなく、住宅の修理や障害物の除去なども行ってもらいます。いざ木造仮設住宅建設となったときに建設できるように職人さんへの研修も行ってもらっているとのことでした。

「供給量の目安はありますか」との質問が出され、「現時点は供給量の目安はありません。災害が起きたとき各市町村に何戸必要かの調査を行い、全木協だけでなく、プレハブの仮設住宅を供給する団体などとも協定を結んでいるので、それぞれいくつ提供できるか聞いて、調整します。仮設住宅は木造、プレハブ、トレーラーハウスなど様々なタイプがあり、選択肢を持っておき、少しでもニーズに応えたいと考えています」とのことでした。

【意思決定の場や避難所運営に女性の参画を】

続いて、防災会議や災害対策本部などの意思決定の場の女性の参画や避難所運営に女性の視点を入れるための取り組みなどを聞きました。

県危機管理防災部の女性比率は15.7%、防災会議は37.5%、災害対策本部は昨年は女性がゼロでしたが、今年、女性が1名入っています。防災会議の女性比率を42%とするとの目標はありますが、危機管理部の女性比率の目標はもっていないとのこと。一方国では庁内の男女比率と同じにできる限り近づけるとの目標があるそうです。

県は「危機管理防災部に人事権はなく、目標は持ちにくいのでは」と説明していました。

避難所運営に女性の視点を入れていく取り組みについて、内閣府男女共同参画局が「女性の視点からの防災・復興ガイドライン」を出しており、県は「それを踏まえてどうしたら国のガイドラインの示す方向に近づけるかという事例を載せて市町村に示してく予定とのことでした。また避難所運営に実際関わる自治会などにむけて映像資料をつくって説明していく」と話していました。

伊藤はつみ県議は「『障害者団体の方から身近なところに福祉避難所があるとは限らない。障害があるのに、遠い福祉避難所まで避難するのは難しい。身近なところにある普通の避難所に障害者も避難できるようにしてほしい』という声を聞きました。女性の視点だけでなく、障害者や子どもの視点など、多様な方の視点を入れた避難所運営が必要ですね」と話しました。

【災害用備蓄について】

県は東京湾北部地震によって5万4千人が避難するとの想定に基づき、市町村と合わせて3日分、8品目(主食、毛布、赤ちゃんようミルク、子ども用・大人用紙おむつ、携帯トイレ、仮設トイレ、トイレットペーパー)を備蓄しています。

城下県議は「危機管理・大規模災害対策特別委員会のとき、県の備蓄品を見せてくれましたね。その中には下着もありましたが、8品目の中に入っていないようですが」と質問。担当課は「県独自に備蓄しています」と回答しました。

塩川議員は「なぜ東京湾北部地震を想定しているのですか。市町村によってはほとんど被害の少ないところもあるのではないですか。備蓄3日分について、3日後には国や提携企業から物資が届くということだと思いますが、能登半島地震では道路が寸断され、届かなかった。大雪などで物資が届かないなどの事態があるのでは。想定していますか」と質問。

県は「東京湾北部地震は30年間の発生確率が70%とと高いことから県としてはこの地震による5万4千人分の物資を備蓄することにしています。道路の寸断については大事な輸送路については常時警戒し、また災害時においては輸送チームをつくっています。大雪については練れていません」と答えました。

塩川議員は「国は備蓄の指針をもってはいません。岩手県北上市が備蓄指針をつくっていて、聞いてみると県がつくった備蓄指針を参考にしたとのこと。埼玉県でも参考にしてみては」と提案しました。

●災害時のトイレについて

「断水したとしても既存のトイレが使えることを想定して携帯トイレ216万枚を備蓄。そのほか既存のトイレが使えないときや足りないときのためにテント型の仮設トイレ600基を備蓄。県として市町村の避難所運営まではつかんでない。しかし現在指針を作成中でその中で、(国のガイドラインに20人に1基のトイレ、女性用は男性用の3倍必要としている)ではどのくらいが必要なのか見えてくるのはないかと考えています」と担当者は話しました。

●段ボールベッドについて

「段ボールは劣化するし、場所を取るので備蓄はしてません。協会と協定を結び、災害時に提供してもらうことになっていますとのこと。市町村でそうした協定を結んでいる市町村もありますが、どこが結んでいるのかは把握してません。しかし能登半島地震の教訓から段ボールベッドの備蓄が必要との話もあるので、検討していきます」とのことでした。