医療型障害児入所施設「カルガモの家」医療的ケア児支援センター「かけはし」訪問

5月22日城下のり子・伊藤はつみ県議は、医療的ケア児の入所施設カルガモの家を視察しました。同施設は医療的ケア児地域支援センターも運営しています。当日はお忙しい中ご対応いただいた理事長代行様、センター担当の丹野さまありがとうございました。

カルガモの家は、12年前に開設されました。隣接する埼玉医科大学総合センターの総合周産期母子医療センターのNICUの卒業児の受け皿、在宅復帰を支援する必要性から開設されました。医療依存度の高い子どもに特化しており、受け入れの下限年齢がない貴重な施設です。(県下ほかにはカリヨンの杜のみ)

定員は44人、うち長期入所は41人  短期入所は3人です。ほかに特定短期入所(おひさまルーム)という日帰りあずかり施設があります。また外来診療、リハビリ、訪問看護事業を行っています。

入所児は小学生が主ですが、高校卒業も幾人かはいます。みな、障害者施設へ移行などして卒業していきます。入所者の多くは超重症児です。

職員体制は、医師3人看護師42人そのほか81人です。医師の確保のたいへんさ、看護師がまだたりないなどご苦労を伺いました。

星順施設長からは、医療的ケア児の在宅支援の中心は短期入所であること。もっと0歳から3歳までを受け入れる施設が必要であること。この施設も始めた当時はたいへんな赤字であったこと。その後県のレスパイトケアの補助が出るようになって、なんとか軌道に乗った。今後もこの補助金を確実に出してほしいと思う。というお話をいただきました。

 

同施設は、地域医療的ケア児支援センターかけはしも運営しています。

医療的ケア児支援センターは、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」に基づき昨年1月に開設されました。

律は、都道府県に1か所の医ケア児支援センターを求めていましたが、埼玉 県は、検討会で保護者などの意見に沿って、県直営のセンター1か所と地域支援センター4か所を開設しました。かけはしはその地域支援センターの一つです。

 

センターの業務は以下の4つ

1、総合的な相談・助言

2,情報収集・情報提供

3,専門人材の育成による地域支援

4,関係機関との連絡調整

です.

 

1の相談業務については 

一番多い相談は、事業所からの問い合わせです。全体の23%が事業所からの情報提供・問い合わせで、14%が事業所からの具体的ケース相談です。 これだけ、医療的ケア児にかかわる事業所が増えてきたのだと、感じました。

次は、保護者の方からの相談で16%が教育全般で、11%が保育全般、9%が情報提供(施設の紹介など)です。特に、ショートステイを使いたいという要望について、ゼロ歳から3歳までの入所施設が県内カルガモの家とカリヨンの杜しかないため大変だと伺いました。また、保育施設や特別支援学校など教育関係施設でのトラブル仲裁などはとても苦労をしているとのことです。教育・保育分野との連携強化が求められます。

2,情報提供・情報収集では、「かけはしチャンネル」などWEB発信も努力しています。

 

3,4 専門人材育成。関係機関との連携は、センターとして非常に力を入れています。

特別支援学校教員対象の呼吸器リハビリ研修や、保育園職員に対する重症児の遊び研修、新規開設の特定短期入所施設に対する研修など出前講座。

カルガモの家での、新規開設事業所に対する体験研修など、事業所力量向上、受け入れ施設拡大に多大な貢献をしておられると感じました。

市町村との連携も積極的に努力しています。現在15市町の関係団体の協議の場に出席しているそうです。先日開かれた所沢市での協議は、多人数で成功し、顔もよく見える関係になれたそうです。しかし、現状では市町村によって、取り組みにばらつきがあることが課題だそうです。

 

まだ始まったばかりの、地域医ケア児支援センターですが、保護者たちの不安に答えるとともに、事業者さんたちを応援し、相談に乗ることで、さらに医ケア児受け入れ施設が拡大していく、そんな取り組みが進んでいました。

ご説明の後に、カルガモの家を見学させていただきました。さすが40床もの大規模な入所施設で、開放的なナースステーションもあり、広々として明るい施設です。この日はちょうど特別支援学校の先生たちによる訪問学級が行われていて、一人ひとりと先生がお話をしていました。

 

卒所した方の作品が飾ってありました。

気持ちが晴れ晴れとしました。