埼玉県家畜保健衛生所3か所が2か所に

飯能市から三郷市まで広大な管轄に

3月12日城下県議は、予算特別委員会で家畜保健衛生所の統廃合について取り上げました。

2026年、2か所体制に

新家畜保健所が大里農林振興センターの隣に新設され、川越家畜保健衛生所がリニューアルされます。これは前進ですが、県農林部は、熊谷・川越・中央の3家畜保健所体制を、2026年度熊谷・川越の2か所体制へ統合する計画をすすめています。これが実現すると、飯能市、小川町から、久喜市、三郷市までの広大な地域を管轄とする川越家畜保健衛生所が誕生することになります。これは、強化とはいえません。

鳥インフル収束しないのに川越家保の人員増はない??

まず城下県議は「豚熱や鳥インフルなど家畜の感染症パンデミックの今後の見通し、特に令和8年度までにこれらが収束する見通しがあるのか」と質問しました。県農林部長は「豚熱はワクチンがあるが、鳥インフルは収束の見込みはない」と答弁。城下県議は「現在は、感染症がまた大流行する可能性は非常に高く、一層警戒を強めていかなくてはならない」と指摘し、中央家保の統合後、川越家保には何人の人員強化が行われるのかと追及しました。農林部長は「現在の中央家保の人員分が増員となる」と答えましたが、城下県議は「それでは現状維持と同じだ」として、繰り返し質問。農林部長はあくまで「業務量に応じてこれから検討する」と増員と明言はしませんでした。

川越家保から三郷市は2時間以上かかる。

城下県議は「家保の職員は、畜産農家に足を運び、定期的な指導や予防接種、病気の検査など、畜産農家

との関係はとても深い。畜産農家へはどのような頻度で訪問がされているのか?」と質問しました。農林部長は「年1回立ち入り検査と、ワクチン・病気診断、感染症指導・環境指導などで足を運ぶ」と答弁。

川越家保から三郷市や久喜市まで、県職員は基本的に高速道路を使うことができず、2時間以上。渋滞すれば3時間以上かかります。農家への丁寧な指導ができるのでしょうか?

養鶏農家が県庁にやってきて、ていねいな指導を要望

城下県議は「昨年12月、見沼区の養鶏農家の方々がわざわざ、県庁にきて、農林部に訴えた。感染症が蔓延して、農家が様々な問題で不安をかかえている。もっと丁寧に寄り添ってほしいという要望だった。例えば、感染防止の石灰が、届かない。キツネが檻をこわして、鳥を襲うのでどんな囲いをすればいいのか、もっと相談にのってほしいなどだった。」と指摘。

中央家畜保健衛生所を建て替え、3か所体制の維持を

そのうえで、農家によりそって指導、援助するうえで、家畜保健衛生所は管轄が広大であることに問題はないのか、と投げかけました。農林部長は「1日1農場しか行けない決まりだが、行ったときは十分時間をとって対応している」と答えました。

城下県議は「農家はもっと相談にのってほしいと言っていた」「私は、現在でも農家と家畜保健衛生所の関係は十分ではないと思う。もっと丁寧に足を運ぶべき。今後、家保からの訪問回数は増やすべきだ」と指摘しました。

そのうえで、農家への丁寧な指導のためにも、中央家保を建て替え、3か所体制を維持すべきだと述べました。