脳血管の病気、骨折などのけがや、人工関節などの手術後には、リハビリテーションが行われます。2019年までは、これらはすべて保険診療として認められていました。
しかし埼玉県内の医療機関から、2020年1月から、85歳以上の運動器リハビリテーションが一部認められないという訴えがありました。
厚労省によると「1日に9単位(20分×9)を上限として認めている」のですが、手術なしの85歳以上の高齢者の運動器リハビリが、1日5単位以上が保険診療としてみとめられないというのです。
そこで、2月5日、村岡正嗣県議と秋山文和県議が、医療機関関係者とともに県国保連を訪問し、この問題で懇談しました。
土田常務理事、小林事務局長、野島事務局次長はじめ、事務局の皆さん、ご対応ありがとうございました。
*みなさんが病院に行くと、通常、健康保険組合や共済組合、市区町村などが発行した、保険証を提出して診療を受けます。これを保険診療といいます。このとき、患者さんが医療機関の窓口で支払うお金は、医療機関が診療行為などの対価として受け取るお金である「診療報酬」の最大で3割です。7割以上は、健康保険組合、共済組合、市区町村などが負担することになっているのです。埼玉県国民健康保険の場合、この7割以上の支払い事務を「県国民健康保険組合連合会」が行っています。
国保連のめやすは、「運動器リハビリは、4単位(20分×4)を超える長時間は高齢者の負担が多い」という考えかたから
「手術ありの場合6単位まで 手術なしの場合4単位まで、保険診療としてチェックせず認めている」
また「それ以外は、専門の審査委員にチェックしてもらっている」とのことでした。
医療機関で、リハビリを担当している医師は
「高齢者だからこそ、長い時間をかけて丁寧にリハビリをする必要がある。
高齢者だからと言って、リハビリの結果の在宅復帰割合が低いわけではない」と指摘しました。
懇談の中で「なぜ、2020年1月から、保険診療として5単位以上を認めなくなったのか」という疑問が呈され
埼玉県の国保担当部局が、埼玉県国保連の「査定率」(医療機関からの診療報酬要求を認めなかった率)が全国平均より低いことを指摘したことから
国保連として、リハビリの基準見直しを行ったということが明らかとなりました。
医療機関のかたは「今日の懇談で、機械的に85歳以上の運動器リハをはねているのではないということが分かった」としつつ
「個々のケースは現場の医師が判断したこと。個々の審査をしっかりしてほしい」と語りました。
秋山県議は
「やってないリハを保険請求するような例は大いに取り締まるべきだが
このように、必要性を医師が判断しておこなっている場合は、現場の判断を十分尊重してほしい」と要望し
国保連事務局のみなさんは
「審査委員のみなさんに、きちんとお伝えします」と答えられました。