柳下礼子県議は塩川鉄也衆議院議員とともに8月20日狭山保健所を訪問し、川南勝彦所長らと懇談しました。
平井所沢市議、大沢狭山市議、佐藤匡入間市議、金子飯能市議らが同席しました。
保健所職員からは、率直な意見や要望がだされ、充実した時間でした。
以下、おもな説明、要望です。
新規陽性者数は、4月に急増し、5,6月に激減し、その後増加している。県全体の傾向は7月8月のほうが感染者が多いが、狭山保健所のほうは4月の感染者数が現在よりも多い。4月の時期の負担は非常に重く、土日もなく11時12時まで帰れないような状態があった。
看護師の応援が4月下旬にはいったこと、とくに「陰圧機能付き自動車」がホンダから提供され(無償貸与)たことから、負担軽減となった。それまでは患者1人を搬送するのに5,6人が防護服で対応しなければならなかったが、ホンダ車のおかげで、運転者だけで済むようになった。しかも複数搬送が可能。
4月ごろまでは、検体採取は帰国者接触者外来の3か所のみで、保健所の許可が必要だった。現在は帰国者・接触者外来に加え、医師会立PCRセンターが「かかりつけ医の診断」で検体採取、また「準外来」=医療機関(救急医療機関や高齢者療養医療機関などもあり、あわせて30か所に増えている。
高齢者施設内感染などのための、検体採取カーなどはない。
これまでの感染症対策は感染症担当の保健師中心に行って来たが、コロナ対応は保健所全体で当たっている。事務は事務職にまかせ、患者搬送業務は全職員で分担。検体回収・搬送は事務職に任せている。しかし、絶対に保健師がやらなければならないのは、患者と直接かかわる積極的疫学業務。患者から行動ヒアリングをしたり病状観察をしたり。経験値が必要。上手に聞かないときちんと事実を引き出せない。絶対にアウトソーシングできない部分。
質問:フェーズが上がった場合や長期化した場合に保健師体制をどうするのか?
市の保健センターからの保健師派遣も必要ではないか。派遣を受けることで市の側にもメリットがある。市の施策、特にコロナ対策の普及・啓発に大いに生きてくる。
難病患者への医療助成制度 通常更新業務がとても大変だが、今年は国の特例で「自動更新」となっている。しかし来年も続けてこれはできない。
食中毒対応は、今年も休むことができない。非常に負担となっている。
県や国への要望
1 疑い患者の搬送先確保が今も課題。数はある程度あるが、透析患者など合併症がある場合など、搬送先が見つからない場合がある。
2 ホンダの「陰圧自動車」が貸与となっているが、購入して今後も使用できるようにしてほしい
3 医師・看護師など専門職を採用して増やしてほしい。来年以降もコロナが続けば、もたない。当面は市町村の保健センターからの看護師派遣をお願いしたい。
4 市町村の保健師と保健所の人事交流を幅広く行ってほしい。現在は中核市や白岡市、松伏町、など一部の市町だけ
5 飯能保健所がなくなり、所沢保健所がなくなり、一か所となった。管内人口は県内1.平時から負担が重い。地域保健法によって保健所は大きく減らされてきた。法を見直し保健所を増やしてほしい。専門職の配置基準も作ってほしい。