12月9日前原かづえ県議は一般質問を行い、全体の3分の2をあてて、台風19号被害復旧と被災者支援について取り上げました。
知事、土砂撤去、樹木伐採など河川管理強調
10月関東地方を直撃した台風19号により、県内では、死亡者3名、重症者1名、住家被害は合計6254棟、全壊112棟、半壊166棟、床上浸水2255棟、床下浸水3370棟と甚大な被害を受けました。
前原県議は今後の水害を未然に防ぐためにも、無提防の地区の早期解消、堤防強化、河道掘削、樹木伐採など河川改修、遊水池の整備など流域全体を対象にした治水対策に力を入れるべきだと主張し、防災・減災についての知事の見解を質しました。自民党席からは「八ッ場ダムが役にたっただろう!」などのヤジが飛ぶ中、大野元裕知事は、県管理河川について「河道の掘削や調整池の整備など様ざまな手段を組み合わせ、洪水時の水位を下げる治水対策を進めていく」、国が進める3カ年緊急対策による土砂撤去や樹木伐採などを進めると、河川管理を強調しました。
浸水住宅の応急修理、すでに修理していても
前原県議は、2年前に続き浸水したふじみ野市の元福岡や、川越市の寺尾地域の「1000万円かけてリフォームしたのに、今年になってカビが生えてきた。2度も床上浸水にあい、引っ越したい。でも、障害を持つ家族がいるので無理」「もうこんな土地に住みたくないが、買い手はつかない」との被災者の声を取り上げ、災害救助法の積極的な活用を求めました。特に、住宅が一部損壊した場合などに支給される「住宅応急修理費用」について、周知以前に自費で応急処理を行った被災者が支援を受けられないという事態が発生しているとして、柔軟な対応を求めました。これに対して危機管理防災部長は修理業者への支払いが済んでいる場合は対象にできないとする一方で、工事の支払いに至っておらず、修理業者と市町村の契約を変更することが可能であれば対象とすると答えました。
被災した企業や個人事業主への助成、柔軟な運用約束
また、前原県議は台風の被害は、地域の企業や個人事業主にもおよんだとして、東松山市の電気工事業者の被害が在庫のエアコンなどはすべて水没、ケーブルなど電気部品も使い物にならず、億円単位に上っていることや、2件の歯科医院が浸水でガラス張りの壁が破壊され、診察台・レントゲンなどすべて買い替えが必要であることなど示し、県の助成制度をできる限り柔軟に運用するよう求めました。産業労働部長は、医師なども個人事業主として一般的には中小業者に含むと解釈する、すでに復旧を終えた事業者も補助対象とする、機械や設備だけでなくガラス張りの壁など施設の修繕にも適用すると柔軟な対応を約束しました。