前原一般質問②一件の被災農家も廃業させない

12月9日前原かづえ県議は一般質問を行い、台風19号被災者の支援などを取り上げました。

農機具すべてが使用不能買い替えに

坂戸市で米・麦など約100ヘクタールを耕作する大規模農家は越辺川の氾濫により、作業所は2mを超える浸水に襲われました。収穫済みの米約30トンは全て廃棄、トラクター、コンバイン、乾燥機、色彩選別機等の農機具すべてが使用不能、修理も不能、被害総額は概算1億円とのことです。前原県議は、高齢化、後継者不足など、厳しい環境の中でも懸命に頑張ってきた農家が、台風被害で、農業への意欲を失うことがあっては、取り返しがつかないとして、農家負担を最小限に押さえる助成制度を求めました。

被災農家へ、国・県・市の支援で9割の助成制度に

知事は、「被災農家のみなさまが、営農意欲を失わず一日も早く経営再建できるようにするとの断固たる決意のもとで迅速な対応を行ってきた」と語り、農林部長は農業用機械・畜舎等の修繕について、国の補助に県・市町村が上乗せ措置を講じることによって農家負担を1割にすると答弁しました。また前原県議は、被災農家から、個々の問題にどのような制度が適用するのか分かりやすくしてもらいたいという声があることから、相談窓口の一本化を求め、農林部長は、各農林振興センターが窓口となると答弁しました。

障害者施設復旧のための国の補助、法人負担軽減を

被災した川越市の障害者施設の入所者10人の方たちは、いまだに総合福祉センターの体育館で職員と共に避難生活をし、他約21名は自宅待機となっています。体育館ではアリーナの片側に男性、もう片側に女性と布団が敷かれ間仕切りもありません。自宅待機している障害者の保護者からは、1日も早い施設復帰を求める訴えがあったとして、前原県議は施設復旧のための支援を求めました。特に、施設災害復旧のための国の補助金には4分の1の法人負担があるため、法人負担をできる限り減らすべきだと求めました。福祉部長は、激甚災害の指定区域になった場合、ほかの社会福祉施設は法人負担軽減措置があるが、障害者施設は軽減の対象となっていないとして、法人負担の軽減を国に働きかけると答えました。

 

開発するなら浸水被害は絶対起こさない対策を講じるべき

前原県議は地元ふじみ野の川越江川下流、福岡江川下流、砂川堀下流で深刻な内水被害が繰り返されていると、県の対策を求めました。一方この内水被害地域では、産業誘導地区として「国道254バイパスふじみ野地区」計画、「富士見上南畑地区産業団地整備事業」開発計画が進んでいます。これに対して、湛水能力が失われ周辺に被害をもたらすのではないかと危惧の声があがっています。前原県議は知事に対して、市街化区域の編入など都市計画決定をする以上、絶対にこの周辺住民に迷惑をかけない、この開発による浸水被害は絶対引き起こさないよう対策を講ずるべきだと迫りました。

治水対策上の課題には特に配慮して調整を進めているー知事

これに対し知事は「254バイパスふじみ野地区は台風などの大雨の時には一時的に水が溜まることが想定されている区域であり、治水対策上の課題には特に配慮して調整を進めている」「2年前の台風21号による浸水被害状況を踏まえて周辺地域の雨水も貯留できる調整池が設置される予定」富士見上南畑地区についても「近年は発生した台風による近隣集落等への影響を参考にして十分な治水対策を行う」と答えました。