前述のように5月4日に降ったひょうの被害が深刻です。5月17日、 村岡まさつぐ・秋山もえ両県議は、関根章伊奈町梨出荷組合長を訪問しました。
関根さんは「幸水」梨を1反ほどの畑で娘さんと二人で作ってきました。 今回の降ひようによる被害は3、4割ぐらいと見積もっています。ちょうど梨の実がなり始めていて、ひょうが当たって傷がつきました。
訪問した時は、娘さんと摘果中(梨の実をよいものだけ残してとる)でした。
関根さんによると、防雹ネットはついていても、昨年の台風で破れていて張れなかったそうです。防雹ネットは数十万円(50万円/反)もかかり、業者も少なく、2,3年まちとのこと。かつては防雹ネット購入に対して、県の補助がありました。
写真のように傷ついてしまった梨は、出荷できません。
伊奈町では伊奈町産の梨ワイン「乙女のかほり」に傷ついた梨を使えないか検討中です。
このような場合に備えて、埼玉県農業共済組合(組合と国との共同運営)の保障制度があります。しかし共済金は、3割をこえる被害金額に対して払われるので、関根さんの場合、保障される見通しがありません。
「自分が組合長になった20年前には50軒の梨農家があったが、今は13軒にすぎない」
「豪雪の時は、農業をやめる農家があってはならないと、自治体も党県議団も活動しました。一軒の梨農家もやめないよう、支援を強めましょう」村岡県議は語りました。
関根さんから、ぜひ被害のひどい上尾の平方にも行ってほしいと訴えられ、さっそく伺うことにしました。
5月19日上尾平方地区を、守屋裕子・秋山もえ両県議が視察しました。
60年来、梨をつくってきたAさんは、夫人と摘果中でした。 「幸水」30a 「黄金のしずく」20aほとんど全滅の状態です。「絶望」「夜も眠れない」「農家を継がなければよかった」と辛い気持ちを繰り返し語っていました。 4日の降雹後、連休中だったため農林振興センターからも市からも何の連絡もなかったと心細さを語っていました。
竜巻の予報もあり、防雹ネットを張ると柱ごと倒れてしまう可能性がありました。そこで、ネットを張るのを躊躇したことを痛切に悔やんでおられました。
市が推奨している「黄金のしずく」は、給食などに使えないかと、検討しているそうです。
共済には入っていなかったそうです。「3割をこえた部分しか保証されないので、役に立たない」と話していました。
今年は収入が見込めないため「税金も、どうやって払っていくか・・・」途方に暮れています。
「隣に電話しておいたから、隣も見てやってほしい」と隣のBさん宅も尋ねました。
幸水をつくっていますが、こちらも全滅だろうと語っていました。来年梨を実らせるには、摘果が必要です。全滅で収入にならないのに、作業しなければならないと嘆いていました。
Bさんは、防雹ネットを持っていません。「張るのが大変だから・・」共済も入っていません。
Bさんと話しているのをみた、その隣の高齢女性が、「うちもみてほしい」と話しかけてくれました。
さっそく、そちらの梨畑にもうかがいました。