2月5日、党県議団は、戸田市の彩湖のある荒川第一調節池に続き、国交省が2018年度から事業着手した荒川第二・第三調節池について勉強会を行いました。
調節池は、下流部の河川氾濫を防ぐために、中流部の河川の水位ピーク時に堤防で囲われた調節池に水をため、水位低下後に河川に水を流して洪水調節するものです。
第二・第三調節池は、下流側はさいたま市桜区、上流部は志木市から上尾市に及ぶ広大なものです。最終的には、桶川市までの第四調節池が計画されています。総事業費は1670億円であり、埼玉県の負担は全体の9%、約150億円、東京都が21%、約350億円、残り約1,270億円が国の負担となります。第四調節池まで含めると約2500億円(県負担約225億円)にのぼります。
2018年度の県予算には、直轄治水事業費負担金のなかに調査費として5,600万円が計上されています。
水源開発問題全国連絡会共同代表の嶋津暉之氏は、荒川第二、第三調節池の必要性について、以下の疑問を示しました。
①第二~第四調節池は、戦後すぐのカスリーン台風洪水の再来に備えて必要とされているが、当時と比べて森林整備が進み、保水力が高まっているので、当時のような大洪水にはならない。
②調節池の必要性は机上の洪水流量計算からもとめられたもので、荒川の現状を反映していない。
③荒川中流域の広大な河川敷には1954年に横堤(左岸14か所、右岸12か所)がつくられ、遊水機能が強化されている。洪水調節はこれで十分ではないか。
④2004年完成の荒川第一調節池で、今まで越流があったのは、2007年9月洪水だけで、その越流量はわずか3万㎡。調節容量3,900万㎡の0.001%で十分な余裕があった。
⑤第二~第四調節池の建設に2500億円という巨額な予算を投じるより、橋梁によって低くなっている堤防のかさ上げ工事など河川堤防の強化、越水しても破堤しない堤防の整備を推進するようが、はるかに有効な治水対策になる。
意見交換では、川越市のもりやひろ子県議候補が、地元の自治会町会が広報紙で第二・第三調節池の事業着手を大きく取り上げていることなどを紹介しました。その他、スーパー堤防の問題点などについても交流しました。