12月10日、金子まさえ県議は本会議一般質問を行い、消費税増税や公契約条例について取り上げました。
雇用も消費も緩やかな改善?
2014年の消費税8%への増税以来、実質消費支出は年額20万円以上も減りました。金子県議は、高齢者からは「年金だけでは暮らせない」など不安の声がひろがり、シャッター通りの広がる商店街で頑張っている八百屋店主からは「また増税ならもう廃業しかない」と怒りの声が寄せられていることを紹介しました。また、ポイント還元や軽減税率、インボイス制度など、問題も指摘し、知事に対して増税中止を国に働きかけるべきだと質しました。
上田知事は、県内総生産は8%への増税前を上回り、雇用や消費の指標は緩やかな改善であるとして、県民のくらしや県内中小業者の経営の厳しさへの無理解を表明しました。
また「消費税の税率10パーセントへの引き上げは、社会保障制度を持続可能にするための安定財源の確保を目的として国が決定した」として、「私は消費税の引き上げによって持続可能な社会保障制度を作り出すことが、国民のある意味では安心感を与え、それが場合によっては消費を呼び起こすことになる」と珍論を展開しました。過去、消費税増税分は、法人税減税等の財源となってきました。消費税導入時にも、増税時にも、深刻な消費落ち込み減少が起こりました。知事の過去の歴史を踏まえない発言は無責任です。
県関連労働者の処遇改善のために、公契約条例検討を
金子県議は、高橋努越谷市長と成立2年目になる公契約条例の効果について懇談し、一般質問で取り上げました。越谷市の公契約条例は、市の一定額以上の委託事業や建設などの公共事業について、契約する際に、最低賃金よりさらに進んだ労働報酬下限額を提示し、その遵守を条件とするものです。これによって、官製ワーキングプアといわれる関連労働者の処遇を向上させる狙いがあります。
越谷市長は、この2年間をふりかえって「賃金の支払い状況と併せ、労働関係法令の遵守について報告を求めていますが、2年間で報告があった案件すべてが、適正に履行されていること、特に当初社会保険に未加入であった下請け業者が元請業者の指導によって改善された事例もあった」など、条例の効果を実感していると紹介。公契約条例を検討すべきと知事に質しました。
知事は「労働者の労働環境や待遇の改善は、対象が公契約のみに限られる条例によるものではなく、労働関係法令の遵守徹底やその見直しにより対応すべきだとして、公契約条例の検討を拒否しました。また県としては、(労働法などの)広報とともにセミナーなど積極的に行い、周知徹底を図っていくと、消極的に答弁し、越谷市長との対比が浮き彫りとなりました。
見えない障害=高次脳機能障害者への支援初めて取り上げる
高次脳機能障害とは、事故や病気による脳のダメージが原因で、社会復帰後も記憶力、注意力、遂行機能や感情コントロールなど認知機能に困難を抱え、社会生活上も様々な支障をきたす障害です。「ちょっとしたことで怒るなど人格が変わった」「トイレに行って元の場所に戻って来られない」など症状も人それぞれです。「見えない障害」とも言われ、とりわけ若い人が適切な診断を受けられず、福祉支援にたどり着けないことも少なくないそうです。
党県議団は、支援団体「地域でともに生きるナノ」と懇談し、金子県議が一般質問しました。身近な地域の相談窓口である保健所の、精神保健福祉指導職の定数を大幅に増やすなど体制整備を金子県議が求めたところ、福祉部長は、平成30年度定数を6人増やしたとして、引き続き支援体制充実に努めると答えました。