3月12日、埼玉県議会・予算特別委員会(環境部審査)で日本共産党の秋山文和県議が太陽光発電施設設置の法体制整備について質問しました。 《質問全文は下記に掲載》
転がり落ちそうな急斜面に太陽光パネルが
秋山県議は「自然エネルギーの推進は世界の流れ、日本も自然エネルギー活用へ前進すべき」としつつも「推進策と一体に、安全上、景観上の適切な規制が必要」だと述べました。
特に今、秩父地方各地で太陽光発電のための乱開発が驚くべき勢いで進んでいるとして「斜面の太陽光パネルのすぐ下に町道が走る」「転がり落ちそうな急傾斜地に太陽光パネルが設置され、すぐ真下に住宅街がある」という危険な現状を告発しました。
その上で「問題なのは、これらの許認可は経済産業省であり、県と市は全く権限がないという点」として
「県内に113件もの大型太陽光発電施設が広がっている以上、届け出や住民説明会の義務付け、最低限の安全基準などを定める条例を新設すべき」と県に求めました。
これに対し県は「森林法や土地開発法などの既成の国の法律や条例できちんと対応、規制していく」と答弁しました。
地盤が崩れ、深刻な被害も発生 土砂条例の適切な改正を求める
次に秋山県議は昨年秋の台風21号で地盤が崩れた小鹿野町の太陽光発電現場の問題を取り上げました。
「太陽光発電施設を設置するために、この事業者は3000㎡の土地を造成し、埼玉県の許認可を受けた。その後、法面の傾斜を埋めるためと称して、追加の土砂を運び込み、垂直に近い崖が作られた」「台風によってこの崖が崩落したが、崩れた土砂によって、すぐ下の川がせき止められ、近隣の建物が2メートル水につかるという被害を引き起こした」
「水没した施設は倉庫だったので、人的被害はなかったが、営業に必要な機器や材木が使用不可能になり、持ち主の家財道具も泥まみれになった」と深刻な被害状況を説明しました。
「この土砂追加は県の許認可を必要としなかった」として、このような場合、「適切に規制出来るように県の土砂条例の改正」を求めました。
これに対し県は「崩落した今回の問題は認識している」、今後、事業者に対しては「追加する土砂の体積に関わらず県に報告させ、条例に基づいて指導・指示していく」「その上で何か問題があれば土砂の搬入を停止させることも出来る」と答弁しました。
生活保護の葬祭扶助制度の周知徹底を
3月13日、予算特別委員会(福祉部審査)で秋山県議は生活保護制度の葬祭扶助問題を取り上げました。《質問全文は下記に掲載》
葬祭扶助を受ける場合は「高額な葬祭費用に対しては適用は認められない」となっているため葬儀費用は20万円以内という制限があります。
秋山県議は「その規定が知られていないため、扶助が支給されないというトラブルが多数起きている」「葬祭費でトラブルが多いのは、突然発生する事案であり、慌しい中で受給者も動揺している場合が多い」ためとして「誤解の多い電話のやりとりだけでは無く、葬祭費について分かりやすいチラシを作成して丁寧に説明すべき」と県の姿勢を質しました。
県は「生活保護のしおりを作成した。それを活用して丁寧に対応していく」と答弁しました。