知事、生活保護受給者窮状に背を向けるー2月定例会・村岡県議一般質問②

答弁する上田知事

3月1日、村岡正嗣県議は埼玉県議会,二月定例会において、安倍政権が進める最大5%の生活扶助費(生活保護の内、光熱費、食費等の生活費にあたる)基準の引下げ方針について一般質問をおこないました

生活扶助基準の引き下げ方針撤回を国に求めよ

 村岡県議は節約の末に栄養失調と診断された生活保護受給者の窮状を語り、これは「憲法25条のいう『健康で文化的な最低限度の生活』には程遠い」、全国では「67%の世帯が引下げの対象となり、平均で1.8%の削減となる引下げ方針について国は撤回すべき」として知事の見解を問いました。

それに対し、知事は「最低限度の生活を保障するものが生活保護制度」と述べたものの、「計画的な暮らしをすることにより健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるようになる」として困窮している受給者の実情に背を向けました。

さらに「一般低所得世帯との均衡を考慮する現行の検証方法では、世帯の消費水準が低下するとそれに合わせて、結果として、生活扶助基準も低下する」と述べ、国の方針を合理化しました。

重度心身障害者の医療費助成制度への所得制限は撤回を

次に重度心身障害者医療費助成制度について、県が来年度予算の中で所得制限を導入しようとしている問題で、知事の見解を問いました。

来年度予算において所得制限が導入されれば、年間所得約360万円以上の推計2,800人が助成制度から締め出されます。県は2015年、新たに重度障害者となった65歳以上の方たちをこの制度から、締め出したばかりです。今回の所得制限導入で削減される県予算は、最終的に約1億円強となります。

村岡県議は重い腎臓病を患い、夜間透析に通いながら懸命に働いている方の声などを紹介しながら知事に対し所得制限の撤回を求めました。

知事は「負担能力のある方には相応の負担をお願いをする趣旨」だとして「公平性」を口実に所得制限の導入を正当化しました。

住宅密集地上空の飛行は重大問題

国は外国人観光客の誘致を拡大するため、2020年を目途に羽田空港での国際線を増便するとしています。そのため、羽田空港上空が超過密なことから埼玉県そして都心上空の低空飛行を解禁して発着回数を増やす計画です。

国土交通省は関係する自治体で住民説明会を開催していますが、落下物の危険、騒音問題、機体のトラブルなど、住民の不安は全く解消されていません。

村岡県議は「新たな飛行ルートは、さいたま市をはじめ川口市、蕨市、戸田市、などの住宅密集地の上であり、県民の命と安全が脅かされる重大問題」、「危険な住宅地上空の飛行は絶対に認めないよう国に強く申し入れてもらいたい」と知事に迫りました。

知事は「国際競争力の強化を実現するためには羽田空港の機能強化が必要である」と述べましたが、「県民の安心・安全を確保するため、環境対策や安全対策の着実な実施と住民への丁寧な説明がされるように国に対して引き続き求めていく」と答弁しました。