前原かづえ県議がH28年度決算に反対討論

12月22日の本会議で前原県議が行った決算に関する反対討論は以下の通りです。

 

日本共産党の前原かづえです。党議員団を代表して、第90号議案「平成28年度埼玉県一般会計及び特別会計決算の認定について」と、第91号議案「平成28年度埼玉県公営企業会計決算の認定について」反対の立場から討論します。

 

国の追加支援によっても国保の構造的矛盾は解決できず

まず、第90号議案について、主な反対理由を述べます。

第1に、国民健康保険制度の都道府県化を前提とする財政安定化基金事業費24億991万円が支出されているからです。

同基金は、新たな国保会計のもと、県から市町村への給付金不足分の立替や市町村からの納付金不足の補てんに充てられるものです。しかし、国保の都道府県化が国の追加公費3400億円によっても構造的矛盾を何ら解決するものではなく、都道府県化そのものに反対であることから認められません。

 

利便性が上がらないマイナンバー制度の中止・見直しを求める

第2に、マイナンバー制度の推進ための番号制度基盤整備事業費を支出しているからです。

マイナンバーの利用開始から2年ほど経ちましたが、マイナンバーカードの交付率は約1割にとどまっています。県は制度の導入のために平成28年度には約3388万円、平成26年度から3年間の総額で約3億7,700万円を支出していますが、県民の利便性向上にほとんど寄与せず、費用対効果が低いことは明らかです。国のシステム構築費用だけで2,900億円もの巨額な税金を支出し、誤送付や情報漏えいなど国民のプライバシーを危険にさらしてまでマイナンバー制度を推進する必要はありません。制度の中止・見直しを強く求めます。

 

年齢による重度障害者への助成の差別は許されない

第3に、重度心身障害者医療費助成制度の年齢制限を導入したままだからです。

県は平成27年1月から、65歳以上で新たに重い障害を負った人を助成対象から外しました。その結果、平成28年度に対象から外れた人数は全体の約1割、4,985人となり、補助実績は、平成27年度の約72億5700万円から約66億2700万円と6億3000万円も減少しました。制度変更の影響はあまりにも深刻と言わざるをえません。支出抑制のため、重度障害者への助成を年齢で差別することは決して許されません。年齢制限は今からでも撤廃すべきです。

その他、県立小児医療センターの移転関連事業費、八ッ場ダムなどの負担金も認められません。

 

恩恵の無い巨額な巨大開発からは撤退を

次に、第91号議案「平成28年度埼玉県公営企業会計決算の認定について」です。

反対理由は、県立小児医療センターのさいたま新都心への移転関連事業費があるからです。

平成29年1月、さいたま新都心の新県立小児医療センターがオープンしました。懸念されていた立体駐車場では、長時間の入庫待ちが重い病気を抱える子どもと家族に深刻な負担をもたらしています。よって、平成28年度に支出された約227億円の移転費用は認められません。

また、八ツ場ダム事業35億円、思川開発事業67億円など巨大開発への負担金は認められません。とりわけ、平成28年度から事業再開となった思川開発については、水のたまらぬ南摩ダムに、山を越えた2つの川から導水路で無理やり水をもってくる巨大事業です。治水上は本県に何ら恩恵がなく、利水上も効果のない思川開発は、今からでも撤退すべきです。

以上で討論を終わります。