県副知事に被害の実態を伝え被災者支援を求める

飯島寛副知事に豪雨災害対策の要請書を手渡す

国会要請と同日(11月6日)、県議団は川越市、所沢市、ふじみ野市、富士見市の各市議、小鹿野町からの参加者と共に県庁に赴き、飯島寛副知事に先月の台風21号による豪雨災害被災者支援を要請しました。

副知事は、「被災者に何ができるか担当部局と検討する」と答えました。

 

副知事に要請する県議ら

要請の全文は以下の通り

埼玉県知事 上田清司様

2017年11月6日

日本共産党埼玉県委員会    委員長 荻原 初男

日本共産党埼玉県議会議員団  団長  柳下 礼子

埼玉県の台風21号による豪雨災害対策について

10月22・23日の台風21号による短時間の記録的豪雨は、県西部地域を中心に多大な被害をもたらしました。埼玉県の調査によると、一部破損住宅6棟・床上浸水373棟・床下浸水549棟にのぼっています。

この間、党県議団は国会議員・市町議員とともに被災者を訪問し、その声を伺ってきました。「事前の避難勧告もまったくなく、救命ボートで救出された」(川越市寺尾地域)「「雨水幹線川越江川の最下流部で、増水した水圧で水路の蓋が吹き飛び、溢水。周辺家屋は、水浸しになり、風呂もトイレも使えない状態」(ふじみ野市元福岡地域)「市道が陥没し自宅の床下が崩落。避難所にいるが、食事はコンビニで、風呂の時間も制限されている」(所沢市山口地域)「崖の上に広大なソーラーシステムが設置され、崖が崩れてきた。自宅は無事だったものの、事業に必要な資材が土砂で被害をうけた。今後、どう営業を続ければいいのか」(小鹿野町)など、それぞれ深刻です。

特に埼玉県西部地域は、昨年も台風により甚大な被害をうけた地域です。党県議団は、昨年発災の翌日に、災害救助法施行令第1条第1項4号(多数の者が生命または身体に危害を受け又は受けるおそれが生じた場合)適用を県に求めました。これが実現していれば、住宅応急修理費用(上限57万円4千円)の支給や、避難所としてホテルを借り上げる等の国の支援が可能となります。しかし、埼玉県は昨年も救助法適用を検討せず、さらに本年も「最大級の台風」といわれた21号に対しても、適用申請せず、床上・床下浸水などの被災者の支援について、応急仮設住宅などさまざまな国の支援を受けることが不可能となりました。

また、昨年、県雨水幹線砂川堀が、新河岸川の流量増加のため溢水し、富士見市周辺の住宅に被害をもたらしましたが、今年は雨水幹線川越江川について、新河岸川の増量のため、水門閉鎖し、その結果溢水したと川越市は説明しています。この間、新河岸川の整備事業が推進されていますが、雨水幹線も含めた新河岸川周辺の浸水対策は抜本的に見直しが必要です。

日本共産党埼玉県委員会と県議団は、各地の現地調査も踏まえ、被災者の切実な声をもとに以下の項目の実施を強く申し入れるものです。

水害被災者支援の抜本的強化について

一、今回、災害救助法施行令第1条第1項4号適用を申請しなかった理由を説明すること。

一、国の災害救助法適用を申請しなかった以上、栃木県小山市や鹿沼市に倣い、住宅応急修理費用(上限57万4千円)をはじめ救助法適用に準じる措置を、県と市で独自に実施すること。

一、今後災害救助法施行令4号基準を積極的に適用すること。

 新河岸川対策について

一、新河岸川に対する雨水幹線砂川堀の制限流量は早急に見直すこと。

一、今回の雨水幹線川越江川の溢水について、教訓を引き出し、早急に対策を行うこと。

一、流域における雨水流出抑制対策を抜本的に強化することとし、調整池の増設、雨水流出抑制タイプの道路施設、既開発地域の雨水流出抑制対策など、抜本的な強化をはかること。

一、寺尾調整池への周辺地域からの排水を認めること。

一、川越江川の雨水調整施設の整備を県としても支援すること。

住宅・事業所の破損、浸水被害について

一、所沢市の一部破損住宅。早急に県の埼玉県・市町村生活再建支援金制度を適用すること。

一、災害救助法が適用に準じた支援を被災者・自治体に実施すること。関係市の見舞金(3から5万円)程度では生活再建が不可能である。とくに、床上浸水(半壊)への住宅応急修理費用相当(57万4千円)を支給すること(再掲)

一、埼玉県・市町村生活再建支援金制度を、床上浸水や床下浸水にも適用するよう運用の改善を図ること。

一、栃木県小山市に倣い、事業再開・事業継続に対する補助を創設すること。

 小鹿野町のがけ崩れ被害について

一、被害の実態調査を行い、原因を究明すること。

一、当該土砂たい積事業に関する計画・許認可に関する事実経過を明らかにすること。

一、秩父地域等の山間地、谷、河川隣接地等への土砂たい積、埋め立てに関し、県条例規則を整備し、自然破壊防止、災害防止に努めること

一、県から土砂たい積を行った事業者に対して、被災者に誠実な対応をするよう県として指導すること

一、事業者に対して、流出土砂の搬出による原状回復と、二次被害の防止対策をとるよう指導すること。

以上