第11分科会では『いま憲法・地方自治を学び、活かし、守ることの意義』と題して小沢隆一東京慈恵会医科大学教授が講演しました。
憲法が最高法規であることの意味
まず日本国憲法の99条「国務大臣等の憲法尊重擁護義務」に照らして、いかに首相が憲法を遵守しなくてはいけないのか、憲法改正発議権(96条)を持つのは国会だけであることが語られました。
次に憲法が国の中心に位置づけられる立憲主義の仕組みと自治体の役割について講義は進みました。憲法が最高法規(98条)であることは、99条で為政者に憲法を擁護する義務を課し、さらに侵すことのできない永久の権利としての基本的人権を定めた97条と国民に自由と権利を行使することを求める12条の存在によって保証されると解説し、『国民の権利は条文書いてあるだけでは効力を発揮しない、どんどん行使していこう!』と参加者に呼びかけました。
そもそも自治体は何を目指すのか
その後、分科会参加者からの発言・交流に移り、『市長がエアコンが嫌いなために市内の学校にエアコンを設置しようとしない』、『ある貧困家庭に対し自治体が充分な援助を行わず住民の持病の治療が遅れ、手遅れになってしまった。そんな行政を変えたい』、『成果主義によって住民と自治体職員が分断されてしまっている、そもそも自治体職員は何を目指すのかを学び、広げていきたい』など憲法を学ぶ大切さ、住民が主体になって行政に生存権を認めさせる意義が語られました。
最後に講師が、憲法に明記してある市民・国民の権利の守り手としての公務員の役割が求められるとして『憲法の仕組みや目指す方向を学ぶことが必要であり、住民の生活を大切にする強い地方自治がなければ現代型立憲主義国家には成りえない』と発言し分科会を締めました。
立憲主義の仕組みを学び、日々活かしていくことが自分たちの地方自治を守り発展させていく上で必要だと痛感した分科会でした。