12月定例会 意見書反対討論・前原県議

12月22日、12月定例会最終日の本会議で前原かづえ県議が議員提出議案に対する反対討論を行いました。以下、全文を紹介します。

日本共産党の前原かづえです。党県議団を代表して

議第39号議案「文部事務次官通知『高等学校入学者選抜について』の改善を求める意見書案」
議第40号議案「参議院合同選挙区の解消を求める意見書案」
議第43号議案「森林吸収源対策の推進を求める意見書案」
に対する反対の討論を行います。

初めに「文部事務次官通知『高等学校入学者選抜について』の改善を求める意見書案」についてです。これは、「業者テストの結果を資料として用いた高等学校入学者の選抜が行われることがあってはならない」「中学校は業者テストの実施に関与することは厳に慎むべきである」などとの事務次官通知に対して、業者テストによる進路指導が学習塾に場を移して依然継続していることを容認し、「実情にあった改善」をと通知の修正を国に求めるものです。保護者などの一部に、「この成績でどの高校に入れるのか不安でたまらない」など業者テストをたよる風潮があることは、党県議団も当然認識しております。

しかし、同通知には「中学校における進路指導は日頃の学習成績や活動の状況等による生徒の能力・適正・興味・関心等に基づき総合的に行われるべきものであり、業者テストによる偏差値等に依存した進路指導は行わない」とあります。いうまでもなく教育の目的は人格の完成にあり、この通知の内容はその点から至極妥当なものです。現在市町村では、通知にもとづいて校長会や公益法人によるテストも模索されており、その努力を県教委が、支援し広げることが必要です。以上の理由から、業者テストに依存した進路指導復活につながりかねない同意見書案には賛成できません。

続いて「参議院合同選挙区の解消を求める意見書案」についてです。同意見書は、第1に一票の各差に対する最高裁の判例を踏まえ、選挙制度の抜本的改革を行うことと、第2に参議院合同選挙区を解消し各都道府県単位の制度に改めることの2つを国に求めるものです。人口減少が予想される中、都道府県単位で一票の格差是正をすすめるなら、大幅な定数増がない限り、合区はやむを得ないと言わざるをえません。現定数を前提とするなら、この二つの意見は並び立ちえないと考えます。党県議団はブロックごとの比例代表制こそ一票の格差是正の最善策と考えます。意見書の方向では格差是正が不可能であるとして反対するものです。

最後に「森林吸収源対策の推進を求める意見書案」についてです。森林吸収源対策の推進は当然でありますが、同意見書はその財源として「全国版森林環境税」の早期創設を国に求めております。しかし「森林環境税」は今年4月時点で37府県が同趣旨の独自税を導入していることから「二重課税」だとして自治体からの反対が相次いだ経過があります。日本共産党は財源については、石油・石炭税の上乗せ措置として実施されている地球温暖化対策税の使途に、森林吸収源対策を位置づけるべきだと考えております。地方自治体の納得の得られない増税は認められないとして賛成は見送りました。

以上です。