11月16日高知県南国市の高知県森林組合連合会を訪問し、中越利茂会長と懇談しました。
高知県の森林も植林以来50年を経て、「切って、売る」時期を迎えています。森は、更新が必要です、と中越会長は強調しました。更新できなければ、森の木の年齢構成がいびつとなります。平準化が必要ですが、現在の原木価格ではとても困難です。「将来的には「環境税」など広く県民に負担していただく必要があるかもしれません」と、会長は語りました。
高知県の23の森林組合は、尾崎知事の産業振興計画に基づき、年間生産量60トンから90トンへの増産を目指しています。
原木生産から加工まで、とくにCLTと呼ばれる製材を開発し、普及に力を入れています。
*CLTとはCross Laminated Timberの略称で、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料です。厚みのある大きな板であり、建築の構造材の他、土木用材、家具などにも使用されています。とても耐久力のある構造材です。
森林組合の建物にはCLTがふんだんに使用されています。会館自体がCLTのモデル建築物といえます。木目が美しいですね。
就農者育成に情熱をもやすー高知県立農業担い手育成センター
11月16日午後は、四万十町にある担い手育成センターを訪問しました。就農希望者のための研修プログラムが、宿泊・長期、土日の講座、体験合宿さまざまな形態で準備されています。
とくに、驚いたのは他県から高知に就農してほしいという、攻めの気概です。毎年高知県以外の研修生が5割程度というのは驚きです。就農のための国の給付金はもちろん、就農研修のための宿泊費は無料であったり、支援が手厚いと感じました。また、説明いただいた所長や次長が、一人ひとりの状況を把握し、就農するまで支援する姿勢に「「一人ひとりの就農を一貫した体制でサポート」というのは、宣伝文句ではないと感じました。
このセンターでは研修だけでなく、新しい栽培技術の実証展示を行っています。写真はナスのハウス栽培の展示です。CO2ガスを使って低農薬で栽培する技術の実証を行っています。
温かい高知県では、なすのハウス栽培がさかんです。1年間を通してナスがとれるなんて、少々驚きました。「温暖な気候でうらやましいです」と話すと、次長さんに「消費地から近い埼玉県がうらやましいです」と返されました。