6月24日日本共産党は県国保運営協議会に国保運営方針見直し案への意見と修正案を提出しました。これについて、柳下礼子団長が、以下のような談話を公表しました
2020年6月30日 日本共産党埼玉県議団 団長 柳下礼子
国民健康保険の都道府県化から3年目を迎え、埼玉県国保運営協議会では県国保運営方針の見直しが始まっています。8月をめどに県民コメントが行われ、9月には見直し案の答申が行われる見通しです。
新型コロナウイルス感染症の蔓延の中、国保被保険者の特に非正規労働者や自営業者が、大幅な収入減となり困窮状態に陥っています。国民健康保険の目的は、法第1条にあるとおり「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与すること」であり、困窮する被保険者の生活と健康を守ることが最優先の課題であると考えます。そのためには、減免制度の抜本的拡充と払える国保税額とすることが求められています。しかし見直し案の中には、この点の言及が全くありません。それどころか、保険税水準統一を初めて表明し、そのために26年度までに法定外繰入れを解消すると明記しました。
国保には構造的問題(被保険者の構成、脆弱な財政基盤、市町村規模の格差)と呼ばれる制度上の矛盾があります。そのため運営主体である市町村は、国保税が重すぎるという世論に押されて、長期にわたり一般会計から国保財政への法定外の財政支援=法定外繰り入れを行ってきました。見直し案は、この公費からの財政支援を「実質的な赤字」と決めつけ、厳しく解消を求めるものです。全国知事会は、国保の構造的問題の解決のためには1兆円の公費投入が必要だと要望していますが、国が3400億円の財政支援でとどめている中で、法定外繰入れを削減・解消することは、国保税の大幅引き上げにつながります。国保の負担がこれ以上引きあがるなら、さらに滞納者は増え、加入者の生活や健康が脅かされることは必至です。
党県議団は、拙速な保険税水準統一とそのための法定外繰り入れ解消計画の撤回を求めます。今、市町村が行うべきことは、新型コロナウイルス感染症の影響で困窮している被保険者のために、国保法第44条に基づく一部負担金と第77条に基づく保険税の減免制度を大幅に拡充するために公費を投入することです。また、国に対し、国保の構造的問題の解決のための公費投入と、他の保険制度になく、現在の人頭税と批判されている均等割廃止を強く求めることです。
党 県議団は、国保運協委員である秋山もえ県議とともに、広く県民のみなさんと力を合わせて、運営方針案の見直しを求めていきます。 以上