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議員提出議案に対する柳下礼子議員の反対討論

(2010年3月26日)

 

 日本共産党の柳下礼子です。
 日本共産党県議団を代表して、議第4号議案、議第6号議案、議第11号議案及び議第12号議案に対する反対討論を行います。
 最初に、議第4号議案「地方分権に適合する地方公務員制度の改革を求める意見書」についてです。
 平成19年、通常国会に提出された地方公務員法等改正案は、能力本位の任用、新たな人事評価制度の構築の名の下に、公務員を、時の政権党や上司の意のままに働かせようとするものであり、我が党は反対してきました。主権在民をうたう憲法は、公務員を全体の奉仕者と規定しており、地方公務員は、あくまで住民の声に耳を傾け、働かなければなりません。
 実際は、既に地方公務員制度改革が各自治体で進行しております。その中では、国保の窓口相談を短時間で切り上げるなど、住民の悩みに十分耳を傾けない職員の評価が高くなるといった事例もあると聞き及んでいます。したがって、意見書のいう公務員制度改革が更に推し進められれば、こうした住民無視の公務員育成が一層進むことが懸念されるところです。
 したがって、議第4号議案には反対するものです。
 次に、議第6号議案は、圏央道及び外環道の早期完成を求める意見書ですが、外環道や圏央道の建設をめぐっては、高尾山のトンネル工事に対する住民の反対運動に見られるように、自然破壊や公害問題などを懸念する声が少なくありません。また、国の厳しい財政状況の中で大型公共事業の見直しが課題となっており、高速道路や高規格幹線道路の整備を優先するのではなく、住民の安心・安全と利便に供する生活道路の整備や、歩道などの安全施設の整備にこそ、今、力を入れるべきであると考えます。
 以上の理由から、議第6号議案には反対です。
 次に、議第11号議案は、人権救済法案に反対し完全撤回を求める意見書ですが、意見書案では、人権擁護法案に反対する根拠の一つに、国籍条項の具備がなされていない状況での人権擁護委員の委嘱により、恣意的な権限行使の懸念を挙げていますが、これは妥当な根拠とは言えません。
 我が党も、人権擁護法案については、人権擁護機関を法務局の外局としていること、表現の自由に対する重大な制約をもたらすメディア規制に関する条項が盛られ、国民の言論、表現の自由を脅かす根本的な欠陥を持っていることなどから、法案の再提出には反対であります。
 しかし、請願者が国籍条項の具備がなされていないとしていることは、人権擁護委員から外国人を締め出そうというねらいを持つもので、国際的な流れに沿わない、差別的で排外的なものと言わなければなりません。このような根拠に基づく意見書提出には賛成できません。
 次に、議第12号議案は、国立戦没者追悼施設の設置について、国に対して慎重な対応を求める内容ですが、我が党は反対であります。
 意見書案は、靖国神社について、国のために尊い命をささげた先人の霊を慰めるとともに、その業績を後世に伝えているとして、多くの国民にとって、戦没者への追悼のために最も大切な施設であり続けていると述べていますが、靖国神社は、一般的な戦没者追悼施設ではありません。戦前・戦中は軍管理の宗教施設として、国民を侵略戦争に駆り立てる役割を果たし、戦後は一宗教法人となったものの、戦争中と同様に英霊の顕彰を行い、侵略戦争を正しい戦争だったと宣伝している宗教施設であります。
 意見書案は、新施設の設置で戦没者追悼という厳粛な営為や国民の戦没者追悼の思いを混乱させる結果となるのは必至だとし、国民的合意の得られない施設において、諸外国の来賓の表敬や追悼を求めることは、大いに問題があると述べております。
 しかし、むしろ侵略戦争をいまだに正しい戦争だったと宣伝する宗教施設だからこそ、首相や閣僚の参拝に対して国内外から非難、抗議が集まっているのではないでしょうか。我が党は、無宗教で多くの人が戦没者を追悼できる国立戦没者追悼施設の建設で国民的な合意ができることを望むものであります。
 以上が議第12号議案に対する反対理由であります。
 終わります。(拍手起こる)

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