日本共産党埼玉県議団 あなたの願いを県政にとどけます
県政トピックス 政策・提案 県政調査費 子どもの笑顔が輝くまち 事務所ニュース 資料室 リンク集
HOMEへ   前へ戻る

資料室

INDEXへ戻る

予算関連議案に対する山川すみえ議員の反対討論

(2010年3月26日)

 

 29番(山川すみえ議員) 日本共産党の山川すみえでございます。
 第1号議案「平成22年度埼玉県一般会計予算」、第17号議案「平成22年度埼玉県水道用水供給事業会計予算」、第66号議案「平成21年度埼玉県一般会計補正予算」及び第78号議案「平成21年度埼玉県水道用水供給事業会計補正予算」に対する反対討論を行います。
 最初に、第1号議案「平成22年度埼玉県一般会計予算」については、次に申し上げる理由により反対でございます。
 第一の理由は、公共事業の見直しが叫ばれている中で、直轄治水事業費負担金として八ッ場ダム建設や荒川スーパー堤防、利根川スーパー堤防などの事業費を計上していることです。スーパー堤防の実施率は、昨年4月現在、荒川でも6・2パーセント、そして利根川では3・5パーセントに過ぎません。現状では、千年かけても完成するかどうかです。また、八ッ場ダム建設については、新政権が建設中止を表明し、政府予算案でも本体工事の予算を計上していません。それにもかかわらず、基本計画が変更されていないという理由でもって、本体工事分を含め7億5,900万円余の予算を計上していることは認められません。
 知事部局では、下水道局への移管分を除いて、職員定数が7,276人から7,106人へと、170人の削減です。特に農林部は、前年度の89人に続いて64人の大幅削減です。来年度を期限とする新行財政改革プログラムで掲げた職員定数削減の目標の達成を優先する余り、職場の実情を無視した職員の削減が行われているとしか思えません。県民1万人当たりの職員数を11人台にしなければいけない根拠はどこにもありません。精神疾患による長期療養者が年々増え続けている現実や、職員構成が年配者に偏ってきている実情を直視すべきであります。
 第三の反対理由は、保健所と福祉保健総合センターを、再編整備の名で統廃合を進めるものとなっていることです。今度の統廃合によって、11の保健所分室が廃止されるだけでなく、30万都市である所沢市と越谷市から保健所がなくなります。両市には地域保健医療圏における中核的な医療機関が存在し、保健所との密接な連携が欠かせません。また、10ある福祉保健総合センターも4つの福祉事務所に統廃合され、県民サービスの低下が懸念されているところです。保健所については、昨年来の新型インフルエンザの対応、その重要な役割が再認識されています。救急医療や感染症対策、精神医療、児童虐待防止、食品の安全など幅広い分野を担う保健所については、従来どおり、福祉部門との連携の下、福祉保健総合センターとして体制の強化を一層図るべきであります。
 第四の反対理由は、農林水産業費負担金や土木費負担金など、県が実施する公共事業において市町村から負担金を徴収している問題です。我が党は、これまでも急傾斜地崩壊対策に対する市町村負担金に反対してきましたが、遅まきながら国が直轄事業費負担金の見直しに着手している中で、県も市町村負担金の在り方をこの際、大胆に見直すべきであります。これらの負担金については埼玉県が率先して廃止し、全国の模範となるべきであります。
 第五の反対理由は、農業大学校移転整備事業費と企業立地促進対策費として、圏央道鶴ケ島インターチェンジ県有地への企業集積検討費が計上されていることです。現在、鶴ケ島にある農業大学校を熊谷市の農林総合研究センター周辺地域に移転させた上で、その跡地に企業団地を造成するというものですが、圏央道沿線の貴重な生産緑地をつぶして開発することは、優良農地が集積する圏央道沿線の開発を加速させ、都市近郊農業の破壊を招くものであります。
 なお、国の高校無償化の予算措置を受け、新年度予算案では、私立学校父母負担軽減事業補助として109億2,000万円余を計上しております。県が国の支給基準を上回る措置を講じたことは評価いたしますが、問題は、予算委員会での質疑でも指摘したように、県外の私立高校に通う生徒に対しては若干の経過措置を講じただけで、県単独の助成を打ち切ったことです。これについては、年度途中でも結構ですから、県内の私立高校に通う生徒と同様の助成を実施するよう求めるものです。
 次に、第17号議案についてですが、水道用水供給事業会計には、水道水源開発施設整備事業として八ッ場ダム関連で34億1,800万円余が計上されております。本体工事を含む予算計上については、第1号議案でも指摘したように、反対であります。
 次に、第66号議案の本年度一般会計補正予算案については、地域活性化・きめ細やかな臨時交付金を活用した道路、河川の整備や信号機の設置、安心こども基金の積み増しなど賛成できる歳出もありますが、問題は、県職員の給与改定に伴って給与費が257億3,500万円余も減額補正されていることです。職員定数の削減で県職員の仕事量が増え責任が重くなる一方で、相次ぐ給与や手当のカットによって、この10年間に職員の年収は平均約90万円も引き下げられています。職員の給与引下げは、職員の士気の低下を招くだけでなく、民間の給与にも反映して、家計支出にも悪影響を及ぼします。景気対策の上からも逆効果であり、今回の補正予算には賛成できません。
 次に、第78号議案は、今年度の水道用水供給事業会計の補正予算についてです。今度の補正予算では、水道水源開発設備整備事業の既決予算額を約9億2,000万円減額補正するなどの内容ですが、今度の補正には、政府が決定した八ッ場ダム建設の凍結部分が反映されていません。八ッ場ダムの本体工事が凍結されている以上、これを補正予算に反映させるのは当然であります。
 以上の理由から、第78号議案についても反対するものです。
 以上で反対討論を終わります。(拍手起こる)

up