日本共産党埼玉県議団 あなたの願いを県政にとどけます
県政トピックス 政策・提案 県政調査費 子どもの笑顔が輝くまち 事務所ニュース 資料室 リンク集
HOMEへ   前へ戻る

資料室

INDEXへ戻る

予算特別委員会における山川すみえ議員の締めくくり総括質疑

(2010年3月18日)

 

Q山川すみえ委員

 日本共産党の山川すみえでございます。予算特別委員会の締めくくり総括質疑を行わせていただきます。
 質問の1は高校授業料無償化で高校生の就学権を守れという問題です。
 新政権で公立高校授業料の無償化のための予算が組まれました。これで、留保をしているのは我が国とマダガスカルだけという国際人権規約の中高等教育の無償化にかかわる規約も批准される見通しです。どの子も学習権だけは保障されるという当たり前のことが、やっと実現することになりました。
 しかし、この授業料無償化も、不登校や健康上の理由などで留年した生徒や、退学後やり直しを図る生徒などの授業料の徴収については、自治体の判断に任されています。文科省は説明資料の中で「国費算定の対象にはしない」と言いつつ、「各地方公共団体の判断により不徴収とすることは可能」と言っているからです。本委員会での質疑でも、知事は、やむを得ない事情のある子は救ってあげたいとおっしゃっていましたが、やり直しする子供の授業料徴収について、県として是非不徴収にすべきと考えますが、知事よりお答えください。

 

A上田清司知事

 今、国会で審議中でありますが、特別の事由がある場合には授業料を徴収できると、こういう法律案が書いてあります。ただし、現在のところは政令、省令、通達でまだ定められておりません。予想されることは、多分国のほうでもですね、病気だとか留学だとか、そういう幾つかの事例を挙げるのではないかというふうに思っております。その理由を確認した上で、県としても最終的には決めたいと思っております。時間はあるのかなというふうに思っています。

 

Q山川委員

 知事はかねがね、「再チャレンジ」を強調されています。この考えを是非高校の無償化制度でも形にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、第2の質問に移ります。
 最近の経済・雇用状況を見るにつけ、高校授業料の無償化、これがもっと早く実現したらなというふうに思わざるを得ません。それは、公立高校授業料の滞納額が2006年から3年間で約790万円から1,640万円と倍増しているからなんです。このような滞納の増加と同時に、経済的理由による退学者も3年間で70人から105人に増えました。それぞれの家庭の経済的事情によって、学習権すら侵害されている子供がこんなにいるという現われではないでしょうか。
 埼玉県には、授業料滞納者に対する処置の基準第2条の3の規定に、「滞納3か月に及ぶときは出席停止を命ずることができる」とあり、その4では、「滞納5か月以上に及ぶときは除籍することができる」という規定がありますが、これらの規定はいかがなものでしょうか。滞納は、生徒の責任ではありません。保護者が何らかの理由で滞納したのに、生徒にペナルティーを科してしまうというものであり、教育の現場でするべきことではないと思います。無償化によって、来年度からはもう授業料の滞納は発生しません。教育長、このような状況下ですから、この際、生徒に責任を負わせる2条の3と4は削除すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 

A島村和男教育長

 「授業料滞納者に対する処置の基準」につきましては、長期にわたる授業料滞納者に対する対応について定めたものでございます。高校授業料が無償化されたとしても、これまでに滞納した授業料債権については、当然引き続き残るわけでございます。しっかりと授業料を納入してきた人との公平性を保つ必要もございます。これまでの滞納分については、徴収を続けていくということになります。
 そのほか、専攻科などの授業料徴収対象生徒が今後ともいることもございまして、この基準は必要と考えております。

 

Q山川委員

 私は、滞納免除を要求しているのではなくて、家庭の事情は生徒の責任ではない、こういうふうに言っているわけですので、是非御考慮をお願いいたします。
 次に、私立高校父母負担軽減事業補助について伺います。
 私立高等学校の問題、これは授業料負担の重さは公立の3倍以上と言われていますね。国の就学支援金の支給を受けて県が授業料軽減補助を拡充したことは歓迎すべきことです。
 その一方、県外の私立高校に通う生徒たちへの県の助成制度は、今年度をもって廃止するそうですね。ただし、低所得世帯などには現在の在校生に限り今年度と同額となるよう、県が上乗せをするということです。
 しかし、知事も御存じだと思うんですけれども、県境の市や町、ここでは東京や隣県の私立高校に進学する生徒が大勢いるんです。ある市では、私学の進学者890人のうち、400人が東京などの県外の高校に進学しています。この事情に照らしても、県外私立高校への進学は特別なことではありません。
 そこで、知事に伺いますが、平成17年度から県外の私学に通う生徒への支援を導入してきたその趣旨は何だったんでしょうか、御説明をお願いいたします。

 

A知事

 県外の高校に通う子供たちにもですね、県内の高校生と同じようにしっかりと私学助成をすることで、子供たちがしっかり学習できるようにという、こうした県議会からも強い議論もございました。そうしたことを考えながら、県内校の方々の補助に対して所得制限をかけることでその経費を確保しながらですね、県外の高校生にも等しく助成をするということで制度化したものでございます。

 

Q山川委員

 ありがとうございました。
 今回の措置で、県外の私立高校に入学する生活保護世帯や家計急変世帯への補助金は国からの助成のみ、237,600円となります。県内の私立であれば授業料は全額又は36万円と、ほぼ授業料に匹敵する金額が支給されます。これでは、低所得者は県外私立に通うなと言わんばかりではないでしょうか。県は、来年度父母負担軽減補助の予算を、国の助成を受けて約2億円減らしましたね。この財源を使えば、県外の私学に通う低所得家庭の生徒にも、県内同様実質無償化を実現できるのではないでしょうか。

 

A知事

 御承知のとおり、先ほども申し上げましたが、平成17年度から県外校の皆さんに最高25万円を限度として助成をしておりました。このたび、高等学校等就学支援金が学校の所在がある都道府県に支給されるようになりました。例えば、都内の私立高校に通う子供たちには東京都から所得に応じて約12万円から24万円までの就学支援金が支給されますので、埼玉県の県外に対する支援は事実上意味がないものになりましたので、その部分は原則廃止するということにしたものでございます。
 ただ、年収約250万円未満の世帯の補助額が現在25万円でありますけれども、来年度は就学支援金として237,600円が補助されますので、制度変更に伴って不利益が生じないように、21年度の在校生に対しては、経過措置として卒業するまで12,400円の補てんをする必要があるのではないかというふうに考えて、そのような措置をしたいと思っております。

up