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議員提出議案に対する山川すみえ議員の反対討論

(09年10月15日)

 議第18号議案「地方分権の更なる推進と地方財政の立て直しを求める意見書」及び議第20号議案「八ッ場ダムの建設推進を求める意見書」に対する反対討論

 

 日本共産党の山川すみえです。日本共産党議員団を代表致しまして議第15号議案、議第18号議案及び議第20号議案に対する反対討論を行います。
 まず議第18号議案「地方分権の更なる推進と地方財政の立て直しを求める意見書」についてでありますが、意見書の要望事項である4項目と5項目についてはわが党として同意できない問題がありますので、反対するものです。
 まず4項目には、「道州制について、国民世論を高めるための措置を講じること」とありますが、道州制のねらいは、国の仕事を外交・軍事・司法などに限定し、社会保障や福祉などの行政サービスは地方に押しつけ、自立自助の名で住民負担に切り替えることにあります。
 憲法92条でうたう「地方自治の本旨」とは、「地方自治の本来のあり方」のことであり、地域住民の意思にもとづいて地方自治体が自主的自律的に行政をおこなうことです。地方自治を発展させる基本的な土台が、住民生活に密着した市町村にあることは言うまでもありません。道州制導入は、いまの都道府県をなくし、単位を大きくし、それに伴い無理やり合併して約1800に減っている市町村を、さらに圧縮してしまうという方向です。
 従って、全国町村会も昨年11月の大会で「道州制の導入によりさらに市町村合併を強制すれば、多くの農山漁村の住民自治は衰退の一途を辿り、ひいては国の崩壊につながっていく」とのべ、「強制合併につながる道州制には断固反対していく」との特別決議をあげているわけです。
 自治体行政を住民から遠ざけ、地方のいっそうの疲弊と地方自治の形骸化をもたらす道州制の導入を前提にした意見書には賛成できません。
 5項目では、地方交付税の法定率の見直しと併せて「地方消費税の充実」を求めていますが、地方交付税の法定率の見直しは当然の要求としても、地方消費税の充実については、消費税税率引き上げにつながるため、賛成できません。
 消費税は改めて指摘するまでもなく極めて逆進性の強い税制です。政府の調査でも、年収に占める消費税の割合、これは年収300万円の世帯では4・2%、一方、1500万円以上の世帯では1・4%にすぎないことが示されています。低所得者ほど負担が重くなる消費税を地方の安定財源とすることには賛成できません。
 以上の理由により、議第18号議案には反対です。
 次に議第20号議案「八ッ場ダムの建設推進を求める意見書」については、すでに請願に対する討論でも柳下議員が申し上げたとおり、八ッ場ダムは利水上も治水上もその必要性がなくなっているというのが現実であります。
 意見書案では、八ッ場ダムの完成を前提として設定された暫定水利権での取水が制限された場合、地下水採取が現在の約1.8倍にもふくれると予想され、相当な規模の地盤沈下が再発するおそれがあるとしていますが、徳島県の細川内(ほそごうち)ダム、新潟県の清津川(きよつがわ)ダムのいずれもダム建設が中止されたにも係わらず暫定水利権は失われていません。しかも自民党政権下ならいざ知らず、八ッ場ダム建設中止を掲げる民主党に政権が移ったわけですから、暫定水利権をそのまま認めさせることに何ら支障がないはずです。
 また、意見書案では、カスリーン台風の例をあげ、「当時と比較し、流域都県の人口が急増していることに鑑み、水害防止の観点からも必要性大である」としていますが、カスリーン台風の当時は、戦時中にエネルギー源の確保や開墾のため森林が大々的に伐採されたため、禿げ山が多く、山の保水力が著しく低下していたことを忘れてはなりません。その後の植林によって山の保水力が向上し、最近の50年間は八斗島(やったじま)で毎秒1万立法メートルを超える洪水は出ていません。毎秒2万2,000立法メートルという洪水を想定した河川整備計画がいかに現実離れした計画であるかは、既に柳下議員の反対討論で触れたとおりであります。
 以上、申し上げた理由により、議第20号議案に対しては反対です。
 なお、議第15号議案「市町村の合併に伴う埼玉県議会議員の選挙区の特例に関する条例」については、前回の特例条例では、「現在の議員の任期が終わるまでの間に限り」としていたにもかかわらず、本議案では、次の議員の任期まで延長していることから、反対するものです。
 以上で、日本共産党県議団を代表しての私の討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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