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循環社会対策特別委員会における柳下礼子議員の質疑

(2009年10月13日)

〈質疑〉

 

柳下礼子議員

1 農林業の多面的機能は、農業が営まれること、森林が適正に管理されることによって発揮されるので、中山間地の農業を守るということは、水循環にも大きく貢献すると思われるが、この点に関する実績はどうなっているか。
2 相続税が払えないため物納された平地林などが公売にかけられ、その後伐採されるという状況が生じている。この状況に対する県の方針はどのようなものか。
3 政策によって、減反が進められているが、水田面積はどのように推移しているか。価格補償をしっかりしていくことが必要であると思うがどうか。
4 県内における木質ペレットの普及状況はどうか。
5 公共施設の建築物への県産木材利用促進の状況はどうか。また、木材使用量の多い民間住宅への利用促進について、大手住宅メーカーへの利用働き掛けの状況はどうか。

 

農地活用推進課長

1 中山間地域は、県土の30%を占めていることや、水源地であることから、中山間地の農業の活性化は、低炭素社会、循環社会対策に有効と思われる。具体的な対策としては、中山間地域直接支払制度を通じて、農業の振興を図っている。

 

みどり再生課長

2 物納された平地林に対して、国は公売をして換金する方針を原則としており、自治体に対しても購入の打診がある。しかし、県としては、国に対して地元自治体への物納地の無償貸与や現在物 納地を管理している財務省から環境省や国交省への所管替えをお願いしているところである。

 

農業政策課長

3 耕地面積全体が81,400ha、うち水田面積が45,000haである。昭和50年の水田面積が68,700haであるため、面積は徐々に減少している。水田農業については、難しい面はあるが、しっかりと面積を確保したい。減反政策では、地域の関係者の皆様に多大な御負担・御協力をいただいているが、今年度から水田フル活用事業を実施し、米粉用米、飼料用米、転作麦・大豆等の作付拡大を推進している。こうした取組により、農家所得の確保を図り、水田面積を確保することで、多面的機能が引き続き発揮されるよう努めてまいりたい。

 

森づくり課長

4 県内に2箇所の木質ペレット製造施設があり、年間1,000トンが生産されている。これを確実に使ってもらうことが必要であるが、これまでに県の補助事業により、ペレットボイラー6基、温室のペレット暖房機3台、ペレットストーブ185台が導入されている。
5 平成15年度に策定した「県有施設の木造化・木質化等に関する指針」に基づき、公共施設での利用拡大に努めている。その結果、平成9年度に345m3だった利用量は、平成20年度には2,141m3となり、6.21倍に伸びた。
 大手住宅メーカーには、平成20年度に4社を訪問し、県産木材を50%以上使用した住宅をモデル的に建設できないか、また住宅の一部だけでも県産木材を利用できないかお願いした。そのうち、モデル住宅について一社から検討するとの回答があり、また一部利用については、過去にアパートを建築する際に利用したとの回答があった。これからも県産木材のPRに努めるとともに、大手住宅メーカーの意向などを調査し、木材関係者への情報提供を進めていきたい。

 

柳下議員

1 大手住宅メーカーは県内に何社あるのか。なぜ、この4社を訪問したのか。
2 民間住宅や学校への利用拡大について、どのような取組を行っているか。例えば、住宅のリフォームや保育園や小学校での内装に使われており、小学校では、子供が風邪をひきにくくなったという話も聞いた。循環社会を形成する上では、大手メーカーに対するアピールが少ないのではないか。
3 平地林の保全について、国に対する要望以外に、県として積極的に市町村を支援していくことはしないのか。
4 中山間地域直接支払制度の期限は、どうなっているのか。終わりになると聞いて、地域の人が困っているようだが。
5 水田面積の減少に伴い、食料自給率も低くなっている。国際的な食料危機が叫ばれており、市町村ごとの自給計画を作るというような取組も必要と思う。FTA等の問題もあるが、日本の農業と食料を守るという立場がないと、農業の多面的機能を維持していくことと矛盾する。国への働き掛け等も含めて、県としてはどのように対応していくのか。
6 木質ペレットの取組は素晴らしいと思うが、普及が進まない理由は何か。また、県としての今後の方針は。

 

森づくり課長

1 大手住宅メーカーの数は把握していない。4社については、埼玉県まちづくり協議会の構成員などを中心に働きかけた。
2 平成14年度に策定した100年の家づくりプランによる県産木材住宅の普及啓発、平成17年度から実施した埼玉の木の家設計コンペ、その設計コンペに代えて今年度から実施している埼玉県産木材住宅コンクール、県民へ木造住宅の提案などを行う木づかいコーディネーターの養成などにより、民間住宅への利用拡大に努めている。5年前まで200戸だった県産木材住宅が、昨年度は240戸になっている。現在、住宅着工件数が減少する中で着実に件数が増加している。
また、学校の内装木質化については、県内の小学校829校のうち、一部でも木質化されている学校は72校(9%)。中学校では448校のうち25校(6%)となっている。最近、木質化を行う学校が増えているので、一層の働き掛けにより、さらに増 やしていきたい。
6 熱量当たりの燃料価格は、今は石油よりペレットの方が高くなっている。しかし、昨年の原油価格高騰時には、価格が逆転していた。木質ペレットは石油と比較して価格変動が少ないので、そこをPRしてペレットストーブ等の導入を進めていきたい。

 

みどり再生課長

3 県条例により「ふるさとの緑の景観地」に指定されている場所が、物納された場合、国に対して、公売にかけないようお願いしている。仮に、物納地が、緑の保全上非常に重要なところであれば、市町村と連携して公有地化することも可能であるが、現実的には厳しい。物納された平地林は、地域の貴重な環境資産であるので、今後も国に対して、無償貸与や所管替えなどにより、平地林の保全を引き続き粘り強く要望していきたい。

 

農地活用推進課長

4 平成12年にスタートし、平成16年までが第1期、平成17年から平成21年までが第2期となっており、今年度で第2期が 終了する予定となっている。しかし、県内では、約270haが対象となっており、終了となる場合の影響が大きいため、県や山村林業振興協議会等の関係各団体と国へ継続の要望を行った。その結果、平成22年度以降も第3期として、この対策を続けるという方向性になっている。また、面積要件の緩和等、中山間地域にとっては良い改正内容になっている。ただし、政権が交代したので、今後どのようになるか注意深く見守っていきたい。

 

農業政策課長

5 食料自給率の向上を図るためには、生産と消費の両面での取組を推進することが重要であり、生産については農地と多様な担い手の確保、消費については地産地消、県産農産物のブランド化等を推進している。また、オーストラリアなどの農業輸出国とのFTA締結については県内の農業に大きな影響があるので、国に要望していきたい。

 

〈意見・提言〉

 

柳下議員

1 カロリーベースで11%という食料自給率を引き上げるために全力を上げること。
2 都市農業、中山間地農業に対する支援を引き続き強化すること。

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