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福祉保健医療委員会における柳下礼子議員の質疑(要旨)

(2009年10月8日)

〈質疑〉

 

◆保健医療部及び病院局関係

 

柳下礼子議員

1 新型インフルエンザの医療体制のネットワークについて、インフルエンザ患者の受入れが難しい二次救急医療機関がある。また、小児救急患者の診察に消極的な医療機関もある。例えば、所沢保健所管内では、二次救急は週3日しか対応していない。市内で受入れができない日があるが、その場合は、どこの医療機関に行けばよいのか。
2 重症患者や慢性患者に対する医療体制については、圏域ごとに確保されているのか。
3 保険証の取り扱いについて、新型インフルエンザ患者が医療機関に受診できるように、資格証明書の発行をやめて、短期被保険者証を発行するよう、県として市町村に通知を出して指導すべきではないか。
4 毎年度、不妊治療費の助成件数が20%ずつ増加している中で、以前、埼玉医大総合医療センターに視察に行った際、不妊治療の急増による多胎妊娠の増加がNICUのベッド不足に一層の拍車をかけているとの話があった。不妊症の治療について、県はどのような評価をしているのか。
5 不妊治療を診療報酬に反映させるために、保険適用について考えていくべきと考えるが、どうか。
6 平成14年度に病院局が発足以来、職員の年額平均給与は、どのくらい下がっているのか。
7 病院局で住宅手当が支給されている職員数は何人か。また、手当額はいくらか。
8 公舎の整備状況はどのようになっているのか。
9 9月5日に県と川越市が共催で自殺対策シンポジウムを実施しているが、その中で「こころの相談」などの無料相談コーナーを設けていた。このような無料相談を身近なところで、保健所管内ごとに、きめ細かく実施することが必要ではないか。
10 自殺対策のため、精神保健福祉士を増やして相談体制を充実させることが大切であるが、県にはどれくらいの精神保健福祉士がいるのか。

 

疾病対策課長

1 救急医療体制については、二次輪番の医療機関のない地域がある。新型インフルエンザについては、二次救急医療機関ですべて対応することは困難であると考えている。基本的には、救急医療情報システムを活用し、消防機関と連携して圏域内で対応する。圏域内対応できない状況の場合は、圏域外で対応することになる。
 小児の入院医療体制については、条件付きを含めて県内43施設が対応可能であると把握している。7月末以降これまで50名が入院し、うち人工呼吸器を使用した小児のケースは2名となっている。新型インフルエンザの重症患者については、二次医療で位置づけ、医師の判断で三次医療に紹介してもらうべきものと考えており、現時点では、基本的枠組みはできていると考えている。
2 圏域ごとの医療体制の確保については、救急医療情報システムの活用により、消防と連携し、対応することを考えている。
9 相談事業は、うつ病対策から自殺の予防まで広範囲にわたるため、埼玉県自殺対策連絡協議会や自殺予防庁内連絡会議の開催を通じて、関係部局と連携を図り、それぞれのメンバーで可能な対策から取り組んでいきたい。

 

国保医療課長

3 資格証明書を発行された場合は、医療機関でかかる医療費の全額を一旦払わなければならないので、その意味では、受診への敷居が高くなるとの認識は持っている。昨年12月に国民健康保険法が改正され、本年4月から中学生以下の子どもに対しては短期被保険者証を交付することになったので、問題になるのはそれ以上の年齢の人についてである。
 新座市や深谷市などでは、資格証明書発行の対象者に対してもすべて短期被保険者証を発行していることも把握している。しかし、一律に短期被保険者証を発行することは法解釈上難しい。
 9月25日に厚生労働省から通知があり、資格証明書の発行を受けている人が医療機関に受診する必要が生じ、市町村に申し出があった場合、短期被保険者証を発行するように運用すべき旨の通知があり、これを受けて、9月28日に県から市町村に通知している。委員の提案は、法的に難しいので、国の通知に基づき、対応していきたい。

 

健康づくり支援課長

4 1980年代以降、体外受精の導入により、多胎児が増加し、問題となった。これは複数胚の移植によるためであるが、高度生殖医療の技術は向上しており、1個でも複数個の胚移植と同程度の妊娠成果を得ることが可能となった。このため、2007年に日本生殖医学会倫理委員会において「多胎妊娠防止のための胚移植数ガイドライン」が公表され、これを受けて、日本産婦人科学会倫理委員会は可能な限り移植する胚は1つにする見解を示した。不妊治療による多胎妊娠は、2005年度をピークに減少しており、今後は多胎妊娠は減少していくものと考えている。
5 昨年度より「国の施策に対する提案・要望事項」の重点要望事項として、不妊治療に対する保険適用を要望しており、引き続き要望していく。

 

経営管理課長

6 給料や手当の決算額を当該年度末の職員数で割った金額で比較すると、平成14年度は7,691,473円、平成20年度は7,597,858円であり、93,615円下がっている。
7 自宅に係る住宅手当の支給人数は、病院局全体で420人である。循環器・呼吸器病センター111人、がんセンター133人、小児医療センター118人、精神医療センター38人、がんセンター建設課5人、経営管理課15人である。
8 公舎については、医師や看護師を中心として、他の医療スタッフや事務職も入れるように対応している。全体で547戸設置している。

 

保健医療政策課長

10 国家資格としての精神保健福祉士について、県内の登録者数は、直近で2,170人となっている。また、福祉保健総合センター及び保健所の精神保健福祉指導職の定数は、平成17年度まで21人であったが、平成18年度から3人増員し、24人となっている。

 

柳下議員

 自宅に係る住居手当の支給総額はいくらか。

 

経営管理課長

 年間総額で、2,268万円である。

 

柳下議員

 住宅手当の廃止により、2,268万円が職員の家計から無くなる。しかも、年間給与は平成14年度と比べ、年額93,615円も下がっている。給与が下がり、住居手当も無くなるのでは、職員の士気が下がると思わないか。

 

経営管理課長

 給与が下がっているのは事実である。病院局職員の給与は、国家公務員や県の一般職員の給与を考慮して決めている。国家公務員や県の一般職員の給与は、人事委員会勧告により民間の給与と比較、勘案しており、病院局の給与も民間の給与を考慮した給与体系となっている。
 県の一般職員の支給の廃止や国家公務員の5年間までの支給の廃止を踏まえて、病院局も廃止することとした。

 

柳下議員

 国家公務員の5年間までとは何か。

 

経営管理課長

 国家公務員は、新築・購入から5年間まで住居手当を支給していたものを今回廃止した。6年以降はもともと支給していなかった。

 

柳下議員

 さいたま市は住居手当については、これから検討すると言っている。病院局では、4,500円から3,000円、3,000円から1,500円と段階的に下げ、平成24年度以降は廃止するとしているが、なぜか。医師や看護師の確保など医療情勢が大変な中で、県の一般職員が廃止するから病院局も廃止するというのは、いかがなものか。

 

経営管理課長

 医師については、今年度から初任給調整手当を引き上げる改定を行い、考慮している。

 

柳下議員

 医療経営は、技術スタッフとともに事務職も大切である。医療部門、管理部門、事務部門の職員の住居手当を下げるのは問題である。大変な仕事をしている中で、励まして士気を高めることは大切なことである。現場の声をどのようにつかんでいるのか。

 

経営管理課長

 現場へは十分説明した上で、提案している。

 

◆福祉部関係

 

柳下議員

1 生活福祉資金について、貸付条件の緩和により、今後、貸付件数はどの程度伸びていくと見込んでいるか。
2 離職者への支援について、ハローワークとは、どのように連携を図っていくのか。
3 福祉施設人材確保対策事業費の福祉・介護人材マッチング支援事業で、キャリア支援専門員を設置していくこととしているが、どのような支援を行っていくのか。
4 離職者支援特別対策事業について、住宅手当の支給額はどれくらいか。また、支給対象件数をどれくらい見込んでいるのか。
5 社会福祉施設にアンケート調査した結果、新しく特別養護老人ホームを整備したところは運営も厳しいという意見も出ている。そうした中で、職員の雇い上げなどの経費を対象に支給する施設開設準備経費等支援事業費は役に立つと思うが、定員1人あたり60万円を上限としている補助単価は、どのように算出したものか。また、職員の労働条件は低く、現在の基準以上の職員を配置していても、労働環境は大変であり、介護職員は倒れそうである。待機者を無くすために施設を整備するのはよいが、施設開設時に質の高い職員を確保できるよう、県として支援してほしいと考えるが、どうか。
6 社会福祉施設等耐震化等整備事業費について、スプリンクラー整備の経費を助成していくとしているが、平成23年度までの年度別の整備計画はどうなっているのか。
7 子育て支援特別対策事業費のうち、放課後児童クラブ等施設環境向上事業費では、放課後児童クラブ30か所、地域子育て支援 拠点6か所、特別支援学校放課後児童クラブ15か所を設置するとしているが、一部の放課後児童クラブでは、すし詰めのクラブが見受けられる。今回の取組により、すし詰め状態を解消させる見込みはあるのか。また、地域子育て支援拠点の箇所数が6か所では少ないのではないか。
8 パパ・ママ応援ショップについて、レジを通した後に、カードが使えることが分かるケースがある。子どもを連れていれば、優遇するなど、もっと簡単に優遇を受けられるよう改善できないか。
9 子育て環境づくり対策費で「お父さんの子育てネットワークづくり事業」、「国際児童年30周年記念事業」、「子どもは社会の宝物!キャンペーン事業」を実施するとしているが、具体的にどのような事業を実施するのか。

 

社会福祉課長

1 生活福祉資金の貸付利率の緩和により、かなり需要が見込まれると想定している。国からも貸付原資として約8億円が交付されるので、十分対応が可能であると見込んでいる。生活福祉資金は、離職者支援特別対策費の住宅手当と連動して利用してもらう制度であり、住宅手当の件数については全県で5,800件程度を見込んでいる。
2 ハローワークと福祉事務所、社会福祉協議会で初めての試みとして合同研修会を行い、連携を図っているところである。これまで連携する機会が少なかった機関がお互いに連絡が取りやすくなったと聞いているので、今後も連携強化に努めていきたい。
3 新規事業のため、現在、キャリア支援専門員は配置されていないが、予算の議決をいただければ、ハローワークのOBや民間企業の人事担当OBなどを採用し、福祉施設を巡回するなどして情報収集し、求職者にふさわしい職場の情報提供ができるよう就労支援を進めていく。
4 県は町村分を予算計上している。生活保護の住宅扶助を基準として、単身者41,500円以内、複数世帯53,900円以内としている。支給対象件数は、町村部の741件を見込んでいる。
6 スプリンクラーの整備については、平成21年度は19施設、平成22年度は2施設、平成23年度は2施設で、合計23施設を予定している。

 

高齢者福祉課長

5 補助単価は、国の示したもので設定している。開設前の雇い上げ経費などは、従来、事業者の自己負担であったものである。この部分に補助が出れば、開設前の十分な研修が可能となり、資金計画にも良い影響を与えるものと考えている。また、定期借地の前払い地代への補助もあり、用地の取得が困難な都市部での特別養護老人ホームの整備が進むものと考えている。

 

少子政策課長

7 放課後児童クラブは大規模化の問題があり、全体の909か所のうち、解消の目途が立っていないクラブが約30か所ある。この事業により解消に努めていく。
 地域子育て支援拠点については、補助が無くても開設できる場合があり、今年度末で320か所の設置を見込んでいる。1中学校区に1か所の設置を目指し、平成23年度までに約420か所の設置を目標としており、引き続き、市町村と協力して設置を促進していく。
8 今年度、パパ・ママ応援ショップ優待カードの有効期限が切れるため、カード更新の際にバーコードを付してレジ処理の利便性を高める予定である。
9 「お父さんの子育てネットワークづくり事業」については、N PO等の協力により、父親同士の情報交換や支え合いを推進していくものである。また、「国際児童年30周年記念事業」では、子どもの外遊びが不足する中、遊びを通じた子どもの健全育成のため「一日遊び場」を県内複数箇所で実施していきたい。そして、「子どもは社会の宝物!キャンペーン事業」では、親子の写真やエピソードなど募集し、イベントで展示したり、「子育ては楽しい」というメッセージを発信するなどの事業を行うことにより、地域での子育てに関する機運を醸成していきたいと考えている。

 

柳下議員

 特別支援学校放課後児童クラブについての現状をどう把握しているのか。また、今後、どのように改善していくのか。

 

少子政策課長

 特別支援学校放課後児童クラブは30か所設置されている。県独自の運営費補助はあるものの、整備費補助がないこともあり、設備が老朽化した施設もある。そのため、安心こども基金を活用し、新たな設備の設置や改修を進めていき、今年度15か所、可能であれば来年度15か所の改善を図っていきたい。

 

〈討論〉

 

柳下議員

 第133号議案の埼玉県病院事業企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例について、反対の立場から討論を行う。
 この条例は、県の一般職員に準じて、病院事業企業職員の住居手当に関する支給基準を改定するため、条例の一部を改正し、2年間の経過措置を設け、月額4,500円の住居手当を平成22年度に3,000円、平成23年度に1,500円、平成24年度に廃止するものである。病院事業企業職員の皆さんは、医師や看護師不足の中、県民の命を守るため、高度医療機関としての責任を担い、日夜、頑張っている。ところが、病院局になり、平均給与は93,615円も引き下げられてきた。現在、新型インフルエンザの大流行という不測の事態も発生する中で、職員皆さんの責務は重くなる一方である。こうした中で、県の一般職員に準じて、今回の対象となる職員420人の住宅手当を廃止することは認められない。よって第133号議案には反対である。

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