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県職員・学校職員の給与改定案件に対する柳下礼子議員の質疑

(2009年10月6日)

第131号議案「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」乃至第134号議案「学校職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」に対する柳下礼子議員の質疑

 

Q柳下礼子議員

 日本共産党の柳下礼子です。
 私は、党県議団を代表して、第131号議案ないし第134号議案に対する質疑を行います。これらの条例は、県職員や学校職員の給料月額を民間給与に準拠するとした県人事委員会勧告どおり、平均0・2パーセント引き下げた上に、ボーナスを0・35月分引き下げる一方、2年間の経過措置を設けつつも、月額4500円の住居手当を廃止するものです。
 この10年間、ボーナスの引下げ、主幹級職員の管理職手当の廃止など、給与や手当の削減が繰り返されてきた結果、県職員の年収は平均90万円も引き下げられました。職員の労働強化につながる定数削減を進め、新型インフルエンザの大流行という不測の事態も発生する中で、県職員の責務は重くなる一方です。
 そこで、知事にお伺いしますが、このような状況で年平均16万4,000円もの引下げを行うことは、少ない人員で日夜奮闘している職員の士気や意欲をそぐ結果となりませんか。今回の改定によって、埼玉県で総額109億円を超える給与削減が実施されます。知事にお伺いしますが、定額給付金、子育て応援給付金などの景気回復のための内需拡大策が次々実施されている折、このような大規模な給与引下げが全国的な規模で行われることになれば、内需拡大策に逆行するのではありませんか。
 また、県職員給与の改定は、公社など県関連団体、福祉施設など社会福祉法人の多数の職員給与に影響を及ぼします。このたびの給与改定は、必ずこれらの広範な職員給与引下げにつながり、更なる民間給与引下げの力として働くことは必至です。このような職員給与削減が民間給与に対して与える悪影響について、県人事委員会では検討されているのですか。人事委員会委員長、報告してください。
 また、今回の人事委員会の住居手当の廃止提案は、国の人事院勧告に倣ったものです。国家公務員は、全国的な転勤が通常なので、官舎も整備され、その整備率は4割にも上ります。一方、県職員の場合、官舎の整備率も低く、一定の年齢になると自宅を購入するのが一般的であり、全職員の43パーセントが持ち家手当を取得しておる。持ち家住居手当の廃止が職員に与える影響は、国家公務員の比ではない。そのため、さいたま市(さいたまし)の人事委員会では、官舎の整備状況、手当の受給割合など国とは状況が異なるため、住居手当の在り方については今後の研究課題として、住居手当廃止の勧告を見送っているのだ。そこで、県人事委員会が国に倣って廃止と勧告した理由を人事委員会委員長より答えてくれ。
 以上だ。

 

A上田清司知事

 柳下議員の第131号議案、第132号議案、第133号議案及び第134号議案に対する質疑のうち、私に対する質疑にお答えします。
 まず、職員の士気や意欲をそぐ結果にならないかということでありますが、去る9月15日、人事委員会から給料月額及び期末・勤勉手当の引下げなどを含む内容の勧告を受けました。内容は、職員に手厳しいものになっておりますが、この勧告は、人事委員会が精緻な調査の上で、県内の民間事業所の給与の実態を反映して勧告されたものと思っております。民間の給与の実態を反映した勧告を最大限尊重し、実施することにより、公務員給与が県民の理解と納得を得られるものだと私は考えております。
 また、職員の士気や意欲を高めていくためには、何よりも職員一人一人が県民のために良い仕事をして、県民に役に立っているということを実感する、このことが一番だと思っておりますし、最近では、しばしばそうしたお褒めの言葉をいただいておりますので、そういうことでモラルを高めていきたいと思います。お母ちゃん的には、また下がったのという話が出るかもしれませんが、しかし公務員で、もっともっと公務員以上に厳しい人たちがいるからということで、私も実はお母ちゃんにお答えをして、そうだねという了解をいただいております。
 次に、給与引下げが内需拡大策に逆行するのではないかについてでありますが、先ほども申し上げましたように、人事委員会勧告を最大限に尊重して実施していく、このことが県民の理解と納得を得られる、このように考えております。
 なお、景気対策については、県民の生活を守るセーフティネットを充実させることや、県内中小企業を支援することによって県内経済の活性化を図るという視点から、現在、様々な緊急経済対策を当初予算及び6月補正予算で措置しておりますし、このたび9月の補正予算においても御審議をお願いをしております。大規模な給与の引下げという表現は、ややオーバーではないかと私は思っております。

 

A香川實人事委員会委員長

 柳下礼子議員の第131号議案、第132号議案、第133号議案及び第134号議案に対する質疑についてお答えを申し上げます。
 まず、職員給与削減が民間給与に対して与える影響について検討しているのかでございます。勧告が民間給与に与える影響については、本委員会として把握しておりません。職員の給与は、地方公務員法で定める情勢適応の原則にかんがみ、その時々の民間賃金の水準に合わせていくべきものと考えております。
 次に、持ち家住居手当を国に倣って廃止と勧告した理由でございます。住居手当のような生活関連の手当については、国家公務員では支給されない手当を県職員に支給することの是非という視点からの検討も必要でございます。また、県内民間事業所において持ち家に係る手当を支給している割合も年々減少傾向にございます。このような状況を総合的に検討した結果、本委員会としては持ち家に係る手当を廃止することが適切であると判断したものでございます。

 

Q柳下礼子議員

 二回目、質疑いたします。
 知事のほうですけれども、今ですね、大変な景気の中で、家計を応援していくということが内需拡大も含めて大事なときに、賃金は下げるのではなく上げるというのが普通だと思います。今の職員の状況を見ますと、どんどん職員を減らされて、今休んでいる職員の中でも、半分がメンタルになったりとか、こういう状況で頑張っているわけです。職員を減らして、賃金も減らして、ボーナスも減らして、住居手当も廃止するという、これは内需拡大にとっても決して良い方向には行かないということは明らかだと思います。知事は、大変オーバーだと思うと言いましたけれども、総額で109億円を超える給与削減、これがすべて家計への削減となるわけですから、決してオーバーではないと思います。
 それから、次に人事委員長ですけれども、国はですね、基本的には官舎をつくっています。ですから、国は持ち家というのは9パーセントなんですね。県は、約43パーセントです。ですから、この点についてどう考えているのかということについてお聞きしたいと思います。
 それから、持ち家が民間では年々減少している傾向にあるというんですけれども、具体的にどうなっているのか、お示しいただきたいと思います。
 以上です。

 

A上田清司知事

 柳下議員の再質問にお答えします。
 まず、公務員の給与を引き下げることが内需拡大につながらないじゃないかということでありますが、公務員の給与を上げれば内需拡大につながるのかと逆に言えるかと思います。基本的に、我々は民間給与と比較して、その中でどういう判断をするかということについて人事委員会が勧告をされ、そしてできるだけそれを尊重するという、そういう仕組みになっておりますので、自ら公務員の給与を民間給与に合わせずに、もし維持していたり、あるいは上げたりすれば、これは県民の理解が一切得られなくなって、行政そのものがつまずいて、逆に景気対策にもならないというふうに私は思っております。
 それから、109億という数字を述べられましたが、6万3,000人の地方公務員、埼玉県の知事部局、教職員、そして警察と、この部分の合計でございますので、よくその辺も御理解を賜りたいというふうに思っております。また、各県が特例の給与の減額などを行っておりますが、埼玉県は少人数で頑張っている、いい仕事をしているという誇りの下に、そうした特例の減額も行っておりません。それなりに私たちは誇りを持って仕事をしておりますので、人事委員会勧告でなされる部分に関しては職員の皆様も御理解していただける、このように確信しております。
 また、持ち家手当の廃止でありますが、これについても人事委員会が勧告されたことを我々は粛々と受け止めて、ある意味ではきちっと受け止めて、県民にきちっとした理解をしていただく、このように考えております。
 以上です。

 

A香川實人事委員会委員長

 民間の自宅居住者に住居手当を支給している割合でございますが、平成17年は54・0パーセント、平成21年は49・9パーセントでございます。
 それから、御指摘の点でございますけれども、国と県の違いというような点でございますけれども、そのような点も含めて総合的に議論して出した結論でございます。

 

Q柳下礼子議員

 三回目の質問をします。
 人事委員長のお答えでは、国はたったの9パーセントで、県は43パーセントで、それで年々減少していると言いますけれども、平成21年は49・9パーセント、約半分が住居手当を出しているわけですね。これを総合的に勘案して廃止するということは全く納得いきません。これについて説明を再度求めます。

 

A香川實人事委員会委員長

 最初の御回答で御説明したとおり、生活関連の手当について、国家公務員では支給されない手当を県職員に支給することの是非、これが一番の原因でございます。

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