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知事提出急施議案に対する柳下礼子議員の質疑

(2009年2月27日)

Q 柳下礼子議員

 日本共産党県議団を代表いたしまして、急施議案である第52号議案、第55号議案及び第56号議案について質疑をいたします。
 まず、第52号議案「平成20年度埼玉県一般会計補正予算(第4号)」について、知事にお伺いいたします。
 本補正予算は、国の生活対策及び生活防衛のための緊急対策を受けて、道路・街路事業や河川事業などの土木事業費を計上していますが、債務負担行為の追加分として、本庄新都心土地区画整理事業一億円が設定されております。同区画整理事業は、都市再生機構が事業主体となり、食、住、遊、学の機能を備えた魅力あるまちづくりを目的に、約六十四・六ヘクタールを開発するものですが、現下の厳しい経済情勢、また、同地域の地理的な条件などに照らして、事業の目的を確実に達成できるのか、大変に疑問に思うわけです。
 この区画整理事業については、当初約154ヘクタールを予定していましたが、都市再生機構の都合で大幅に縮小された経緯があります。事業の先行きに見通しが持てなかったからではないでしょうか。現在の資金計画では、約141億5千万円の総事業費のうち63億2千万円を保留地の処分で生み出すことになっていますが、早稲田リサーチパークと新幹線駅があるというだけで、これらの9.2ヘクタールに及ぶ保留地をすべて処分するほどの業務集積や住宅需要が見込まれるとは思えません。そこで知事に伺いますが、厳しい情勢の下で、この事業の見通しをどのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
 続いて、第55号議案、ふるさと雇用再生基金について、知事にお伺いします。
 百年に一度と言われる経済危機により、県内各企業も業績が悪化し、派遣労働者や期間工の雇い止めが競うかのように行われています。派遣・請負・業界団体は、3月までに全国で40万人の雇い止めをという試算を発表しております。本県についても、埼玉県労働組合連合会が大手26社からつかんだ数字ですが、3月までの県内解雇予測数を6,500人と公表しています。私たち日本共産党は、こうして企業から冷たく放り出された方々の生活相談に乗り、支援してきました。私自身も、ホンダ、狭山製作所を雇い止めされる期間工の方たちから直接お話も伺いました。彼らは、「自分は正社員以上に現場のことを熟知していて、主要な部分を任されてきた。それなのに、こうして首を切られるのは本当に悔しい」と無念の思いを語ってくれました。本案では、1年以上の職を念頭に置いた雇用を創出するとのご説明です。これにより、3年間延べで2,200人の雇用を県は見込んでいるそうですが、さきに挙げた解雇予測数や倒産企業の増加から見て不十分な数字ではないでしょうか。また、正規職の創出とのことですが、基金での支援が終了した後、雇用が継続できるのか不安が残ります。そこで、知事に伺いますが、54億円という国の算定について、知事はいかがお考えでしょうか。また、基金という形ではなくとも、県として正規職を念頭に置いた雇用創出事業を独自に上乗せする、また事業終了後の雇用継続のため、県として財源措置するお考えはあるのかお伺いします。また、本年度の深刻な雇用情勢をいち早く回復し、内需を拡大するためにも、基金は1年間で三分の一ずつというのではなく、初年度に集中して投下するなど傾斜をつけるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 続いて、議案第56号、緊急雇用創出基金条例に関して、知事にお伺いします。
 この基金による事業は、あくまで緊急な事業を想定しており、6か月未満の一時的雇用の創出に限定をしているとのことです。しかし、6か月未満では雇用保険の受給権を得ることができません。この事業の対象者は、多くが雇用保険受給権者ではないことを前提としているはずです。失業給付のない労働者を半年雇って、再び失業給付もないまま放り出すのは余りにもしのびない。現在、国では雇用保険法の改正が検討されており、雇用保険の受給資格を六か月に短縮する方向が検討されています。仮に国会で受給資格が短縮されても、6か月未満という本事業の雇用期限では、雇用保険の受給資格も取得できません。そこで知事に伺いますが、半年間の一時的雇用では、法改正が行われても雇用保険の対象にわずかに及ばない、この点をどのようにお考えになるかお示しください。また、雇用保険法改正に対して、受給資格期間は6か月ではなくて、さらに短縮すべく国に強く要望していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。以上です。

 

A 上田清司知事

 柳下礼子議員の御質問に順次お答えをいたします。
 まず、第52号議案についてのお尋ねでございます。
 本庄新都心土地区画整理事業は、平成18年度に事業認可を受け、現在、おおむね33パーセントの進ちょくとなっております。事業は、国庫補助事業と都市再生機構の資金を活用しておおむね順調に進んでおります。
 お尋ねの保留地処分でございますが、9.2ヘクタールのうち約三分の二が業務系用地であり、これまで様々な企業から引合いが来ていると聞いております。おおむね順調です。御安心ください。
 次に、55号議案についてのお尋ねでございます。
 まず、国からの交付金、約54億円についてのお尋ねでございます。
全体で2,500億円の交付金は、都道府県ごとの雇用情勢に反映するように配分されていると聞いております。具体的には、有効求人倍率、有効求職者数などを基準に算定されているそうであります。
 平成20年12月の本県の有効求人倍率は、全国と同じ0.72倍でございました。より雇用・失業情勢の厳しい都道府県に厚く配分がなされているものと理解しています。
 次に、県として雇用創出事業の上乗せ、又は事業終了後の財源措置についてでございます。
 既に正規雇用の拡大を進めるために、ヤングキャリアセンター埼玉などで就業支援期間の機能強化や非正規労働者に対する職業訓練の拡大などを当初予算に盛り込んでおります。県として、21年度予算の適切な執行と基金による雇用創出事業の実施により、正規雇用の拡大を進めていきたいと考えています。
 また、ふるさと雇用再生基金は、継続的な雇用を創出する事業を行うことを目的にしております。事業終了後の雇用継続のために、県が財源措置をすることは基金事業の趣旨とは合致しないものと考えます。したがいまして、県としては、事業の継続により引き続き雇用を図られるような基金事業をむしろ選定して、その効果も検証しながら実施していきたいというふうに考えています。
 次に、深刻な雇用情勢にかんがみ、初年度に事業を集中するなど傾斜をつけるべきではないかとのお尋ねであります。
 昨年秋以降の急速な景気の冷え込みで、雇用・失業情勢はかつてない厳しい状況にあると認識しております。基金事業の執行に当たっては、急激な雇用・失業情勢の悪化に機動的に対応することが必要であります。「1年間で三分の一ずつではなく、初年度に集中して投下しろ」珍しく意見が一致しました。極力雇用創出のために前倒しで頑張ります。
 ふるさと雇用再生基金は、雇用創出の高いものについて集中的に実施するなど、より効果的な執行も併せて行ってまいります。
 次に、56号議案についてのお尋ねでございます。
 1月20日に雇用保険法改正案が国会に提出されています。雇用期間が短い非正規労働者を救済するための適応基準の緩和、適応範囲の拡大などは、セーフティネットの充実という観点から好ましいことであると思います。国会で早急な審議、可決を期待しております。ただ、失業給付をすべての失業者がもらえるようになるというような形になっていくと、短期間で仕事を辞め、失業給付を受けようとするモラルハザードも起きるのかなというような懸念も指摘されていますので、私もそのように少し考えております。いずれにしても、給付と負担のバランスというのはどのレベルなのかというのをしっかり国において議論をしていただきたいと思っています。以上です。

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