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県土都市整備委員会における山川すみえ議員の質疑(要旨)

山川委員

 第109号議案について、最終年度の途中であるが、平成18年度から平成20年度まで実施した包括的民間委託の試行結果の総括はどうだったのか。また、いつ行われるのか。

 

下水道課長

 各年度、6月の行政報告において実施状況を報告しているとおり、問題なく実施されている。
 契約期間全体を通しての評価結果の総括は、3年間の試行期間経過の後に行う。

 

山川委員

 結果の総括は、まだ出ていないということである。
 平成21年度から平成23年度の契約と前回の契約との間で、契約内容に何か違いはあるのか。

 

下水道課長

 突発的な小修繕の額を50万円未満から100万円未満に変更したほかは、概ね同じである。

 

山川委員

 3年間の試行は大変大切なものである。特に、下水道は公が責任を持つべき事業であると思う。包括的民間委託を試行した平成18年度と平成19年度に、大雨注意報、洪水注意報、河川水位の上昇による処理水の放流が不可能になる恐れがある場合等の危機管理に属する状況が計63回発生しており、包括的民間委託契約の中で配置人数を定め、そのとおりきちんと実施されていることは報告書等で確認した。しかし、こうした危機発生時にも職員が全く行かないことはいかがかと思うが、この点については検討したのか。また、そのうち1回は、受託者側が10人もの人員を配備したとのことだが、そういう時にも県職員を配備しないのはいかがなものか。

 

下水道課長

 危機管理状況発生時であるが、県、下水道公社、包括民間委託業者が同様の態勢をとっている。
 そういった中で、包括的民間委託をしていない他流域と同様に、時と場合により施設の状況、処理場についてパトロールを行っている。今後も危機管理に当たっては、全く問題なく災害への対応ができるよう、更に充実していきたいと考えている。

 

山川委員

 第122号議案について、平成18年度から訴訟対象者を12か月滞納から6か月滞納に変更したとのことである。部長決裁でこのように決めたとのことだが、このことにより訴訟件数は増加しているのか。

 

住宅課長

 平成16年度は53件、平成17年度は53件であったが、変更後の平成18年度は47件、平成19年度は32件と減少している。
 これは、滞納月数を短縮したことよりも、議会の支援をいただき訴訟を進めた結果、6か月以上の滞納者が大幅に減少してきた結果と考えている。平成14年度には6か月以上の滞納者が758人いたが、平成18年度には132人、平成19年度には84人と減少している。

 

山川委員

 早い時期にアクションを起こすことで効果があったということだと思う。和解288件となっているが、対象者は和解すると県営住宅に引き続き入居できるのか。

 

住宅課長

 和解の要件として6か月分以上の滞納額を一括して納入していただき、残りの滞納分を毎月支払っていただくことを約束していただいている。和解となれば引き続き入居は可能である。ただし、約束を守っていただけない場合は、明渡しの強制執行を行うことを合わせて約束していただいている。

 

山川委員

 調査すると、小学生、中学生、高校生がいる世帯も対象となっているが、滞納家賃の貸付金制度や生活に対する指導もしているのか。

 

住宅課長

 訴訟対象者は分割納入などの指導にもかかわらず、何回も約束を守っていただけない方であり、生活指導以前の問題であると思っている。約束を守り、支払う態度を示していただくことが大切であると考えている。今回の訴訟対象者の選定は、指導に従わず誠意のない者17人に話をしてスタートしたが、その後、指導に従い滞納額を納入した方が12人、自主退去した方も2人おり、最後まで誠意ある対応を示さない3人が残ったものである。

 

山川委員

 第108号議案について、放置船舶の対策については平成20年3月25日に条例が出された。現場を見てきたところ、非常に多くの船があり、船にはきちんと名前や電話番号等が書いてあった。数が多く持ち主も判明しているのに、どうしてこのような状態のままにしたのかと思った。過去、放置船舶の対策を行ったのは何時か。
 また、その時の規模はどのくらいだったのか。

 

河川砂防課長

 条例が制定される前は、平成9年に河川法に基づいて監督命令を行ったが移動しなかったので行政代執行法に基づいて行政代執行を行った。放置船舶は63隻、係留施設は7つあり、一たんは全部撤去したが、その後戻ってきた。

 

山川委員

 現在の放置船舶は、同じものが再び戻ってきたものなのか。

 

河川砂防課長

 63隻のうち同じものがどれだけ戻って来ているのか、はっきりお答えすることはできないが、かなりの部分がそうであると思われる。現在、燃料費等が高騰しているため、全然使用しておらず所有者不明のものもある。

 

山川委員

 現場では橋に繋がれて桟橋等ができているが、洪水になったら恐らく障害物になって川があふれ、人家に被害が生じるのではないか。
 もっと早急に撤去すべきであったと思うが、平成9年から今日まで実施しなかったのはなぜか。

 

河川砂防課長

 平成9年以降も河川法に基づき撤去指導は行っていた。行政代執行となると手続きに非常に時間がかかるなど、いろいろ問題がある。
 しかし、平成9年に1回代執行したが戻ってきているなどしており、思うように撤去が進まないことから新たな対策が必要であると考え、この条例を制定し取り組んでいくこととした。

 

山川委員

 条例によれば、6ヶ月間保管した後処分するとのことだが、放置船舶の所有者が競売に参加し、再取得するような場合の対応策は考えているのか。
 また、所有者が判明している船舶であれば対応が可能と思うがいかがか。不明船と同じく処分するのか。

 

河川砂防課長

 競売への参加を防止することより、再び放置させないことが重要であると考えている。競売で再取得するとしても経済的負担が発生する。そのこと自体について意見はない。再犯については氏名を公表するなどして再び放置しないような対策を考え、条例化している。
 所有者が判明している船舶についても、取りに来るよう通知はするが、所有者不明船同様に処分していく。

 

山川委員

 河川管理者が河川を適正に管理することが重要であると考える。読売新聞に「河川点検の未実施が3割」との報道があった。再犯を公表したとしても災害が起きては何にもならないので、きちんと管理していただきたいが、職員の確保などをしているのか。

 

河川砂防課長

 読売新聞の件については、埼玉県は点検していない3割に一切入っておらず、管理河川の全域で河川巡視を行っている。治水上危険であるというのは河川法上のことであるが、この条例は、景観や騒音などの生活環境の維持あるいは災害時の輸送経路の確保などを目的としており、治水上の安全を目的とする河川法とは趣旨が違う。
 ただ、洪水時に橋りょうに引っかかって危険であるのではないかということについては、そのとおりである。事あるごとに巡視・警告を行い、桟橋の所有者に対して接触し指導しているが、なかなか放置船舶を撤去しないのが現状である。条例を強力な武器として引き続き取り組んでいきたい。

 

委員長

 これより、本委員会に付託された各議案に対する討論を一括して行う。
 何か発言はあるか。

 

山川委員

 第109号議案について、反対の立場から討論を行う。
 荒川上流及び市野川流域下水道の包括外部委託に反対する。

 まず最初に、平成18年度から平成20年度の間の包括外部委託について、試行ということであったが、その後まだ総括がされていないにもかかわらず、これを本格委託というのは納得できない。
 もう一つは、契約が人材について固定費となっているが、契約の内容などがなかなか議会にも明らかになっていない。特に人材については、委託事業でとかく言われている人材の確保、様々な資格の確保等の規定が契約の中で明らかになっておらず、また確保ができないということである。固定費にはなっているが、その人材の内容について、契約書に規定されていない。さらに危機管理状況について、先ほども指摘したとおり、公の責任ということは大変大事であると思う。専門的な知識と技術を持つ職員を継続的に育成することが必要であり、県民に対して安全で安定的な下水処理という公共性から考えても、この施設については包括外部委託は適合しないと思う。ゆえに今までどおり直営でやるべきだと考える。

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