〈議 題〉
「地方財源の確保対策について」
山川委員
- 本県の対応として説明のあった「地方税源の充実」についてもう一度確認したい。
- 地方法人特別税の影響額についてもう一度確認したい。
財政課長
- (1)地方の自律性を高めるため、地方が担う事務と責任に見合うよう国と地方の税源配分を5:5とすること。(2)その際、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築するため、消費税から地方消費税への税源移譲を行うこと。(3)暫定措置としての地方法人特別税と地方法人特別譲与税は早期に廃止し、地方税として復元すること、という3点を説明させていただいた。
税務課長
2. |
地方法人特別税は、平成22年度にすべての法人に適用されることとなるもので、あくまで総務省の試算に基づく数字であるが、埼玉県の場合では、法人事業税が941億円減少し、地方法人特別譲与税として1,250億円が譲与されることになるので、差し引き約310億円の増収と見込まれている |
山川委員
「経済財政改革の基本方針2008」の中の具体的手段のところに、国庫補助負担金の見直しについての記載があるのに、本県の提言・要望として国庫補助負担金について言及していないのはなぜなのか。
財政課長
既に三位一体改革の中で、国庫補助負担金、税源移譲、地方交付税の見直しが行われた。細かい部分では国庫補助負担金について見直す余地があると思うが、もっと大きく地方税源の充実を提案・要望したところである。
企画総務課長
この部分の記載については、今後、国の地方分権改革推進委員会の第3次勧告として検討して記載されることになると聞いている。
山川委員
消費税と地方消費税の配分変更を求めることについて、現行の地方消費税1%からどのくらいの増加を考えているか。
税務課長
地方交付税の部分を含めて考えると、地方の配分が2.18%、国が2.82%、全体で5%という状況である。具体的な配分については、全国知事会等においても、本県においても詰めているわけではない。ただ、機械的に試算すると、地方と国の税収割合の43:57を5:5にするためには、6兆円規模が必要となる。
山川委員
配分を地方に回してほしいということだが、地方と国の差である0.7%は消費税ではどのくらいの金額になるのか。
税務課長
約1兆8千億円となる。
山川委員
- 地方交付税総額の復元を要望しているが、埼玉県では地方交付税はどのくらい減ったのか。
- 国と地方の役割分担についてはどのように考えているのか。
- 2.6兆円の地方法人特別譲与税は、あくまで暫定的な措置とのことだが、なくなった場合の影響はどうなるのか。また、地方法人特別税制度の導入により、法人事業税の国と地方の配分は変わったのか。東京都や愛知県では減収となっているが、国の負担は減っているのではないか。
財政課長
- 平成16年から18年の3年間で地方全体で5.1兆円減少したことを前提とすると、本県の減少額は3年間で1,070億円となる。
企画総務課長
2. |
国が担うべき役割としては、防衛、外交など国家の存立に関わる事務、全国的に統一して定めることがふさわしい準則に関する事務、全国的な規模で行わなければならない事業の実施などであり、それ以外の住民に身近な行政はできる限り地方自治体が行うべきであると考えている。 |
税務課長
3. |
地方法人特別税制度は、あくまで暫定的緊急避難的な措置であると考えており、法人事業税として復元すべきであると国に要望している。国と地方の配分については、地方法人特別税は国税として一括して徴収され、それが譲与税としてすべて地方に配分されるものであるため比率は変わらない。 |
山川委員
- 地方交付税総額の復元・充実として、国に対してどの程度要求しているのか。
- 国の役割について、憲法に基づく生存権の確保はどのような形で行われると考えるか。
- 地方法人特別税制度について、総務省試算では、北海道や埼玉県などは増収で、東京都や愛知県などは減収となるとなっているが、総額として変わったのか。東京都や愛知県などの減収分が地方再生事業に回っていると思うので、国は配分を少なくしているのではないか。
財政課長
- 地方交付税総額の復元・充実については、地方が行う事務は変化するので、固定的に1,070億円を戻すということではなく、見直しも含めて的確な財源保障を求めているものである。また、法に基づく意見申し出制度を積極的に活用し、地方の実状にあった制度に見直してもらっているところである。
企画総務課長
2. |
憲法が規定するとおり生存権が保障されているわけであるが、これをどう実施していくかは、例えば、国が財源を保障し、実施は住民に身近な地方自治体が担うなど、今後の分権改革の在り方の中で議論されていくこととなると考えている。 |
税務課長
3. |
この制度は、法人事業税の一部である2.6兆円を国税として徴収し、それを特別譲与税として、人口と従業者数に応じて各都道府県に割り振るものなので、国と地方の配分は変わっていない。 |
<意見・提言>
山川委員
- 憲法に基づいて国民の生活を守り、また、憲法に定められた様々な国民としての権利を守るような地方分権を行っていただきたい。
- 地方消費税の配分の変更を求める姿勢を堅持して、消費税の増税は行わないでいただきたい。
- 地方法人特別税が増額されたところでは地方交付税が減るという状況があるので、もっと精査して実施すべきである。
- 道路特定財源が一般財源化されたが、これがどのように使用されるかについては国民全体の論議になっているので、生活道路、緊急の道路を造るということにし、必要でない道路は造らないこと。