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福祉保健医療委員会における柳下礼子県議の質疑(要旨)
(2007年12月17日)

柳下委員

(1)私の知る精神障害者の施設では、ケーキを作ったりしているが、夏はエアコンがなく暑いため生クリームが溶けてしまい、ケーキが作れない。また、逆に冬は寒くてケーキが作れないような状況にある。円滑に新制度に移行すべきだと考えるが、どのような見込みか。(2)新制度に移行するに当たり、地方交付税措置で対応する600万円の市町村負担があるが、その600万円が施設に確実に支出されるよう指導すべきと考えるがどうか。
(3)県単の心身障害者地域デイケアとグループホームがあったが、補助の5%削減の見直しという点では、県は障害者協議会に対してサービスは低下させないし、何か変化のある場合は相談する回答している。これから新サービスに移行するに当たり、市町村、施設、団体と信頼関係を築く必要がある。県と同様に5%削減をする市町村とそうでない市町村があるなかで、どのように信頼関係を築いていくのか。
(4)新制度に移行しない身体障害の場合も、日額制になり5%削減となるのは、円滑な移行とは言えないと思うので、身体障害の場合はこれまでどおり続けていくべきと思うがどうか。
(5)新制度移行に伴い、事務量も増大しているとの現場からの意見も強い。申請が必要なものも多い。事務職員も人手不足であり、大変である。事務量増加についてどう考えるか。
(6)今回予算審議されている施設でも、運営費が厳しく、人件費の削減も迫られている。新制度に移行した場合、例えば就労継続B型単独の場合、1,524万円の減収(△28.5%)、多機能型(B型+就労移行支援)を選択した場合、1,182万円の減収(△22.1%)、多機能型(B型+就労移行支援+生活介護)の場合1,017万円の減収(△19.1%)といった試算がされている。また、多機能型を選択した場合でも、利用者の負担額がまちまちに変わるので、運営上も新たな問題が生じる可能性もある。このことについてどのように考えるのか。


障害者福祉課長

(1)議会で可決すれば、国から内示は出ているので、すぐに支出できるようにしたい。
(2)今回、障害者自立支援法に基づき、地域活動支援センターという新しい形態のサービスに移行するに当たり、県が補助金を定めた。その中で基本文として、市町村が交付税措置されている600万円をまず充て、それに県単で上乗せをしていくという仕組みにしている。県単で上乗せ補助をする際には、交付税分の600万円を予算措置することを条件に行っていきたい。
(3)県単補助事業について、2月県議会後、急に県から削減の通知があり混乱が合ったことについてである。制度設計をするに当たり、意見交換はしていたが、議会の議決を経なければ発表することができないこともあったので、市町村や団体などとしては突然のような印象があったかもしれない。しかし、県としては2月議会後直ちに市町村には説明し、5月に5%削減の要綱について説明を行った。このことについては、今後引き続き、関係団体や市町村などと情報交換などを行い、混乱のないようにしたい。
(4)新制度への移行について、法廷施設については、平成23年度末までには必ず移行しなければならない。県単で対応しているデイケア施設、小規模作業所については、法定ではなく、強制はしないが、理解を得ながら新制度への移行を進めていきたい。移行が難しい小規模施設については、引き続き県単で補助していく方針である。
(5)新制度への移行に当たり、施設を単位とした体系が、機能を重視した体系に変わったことに伴い、事務量が増加しているとの意見も聞いている。この点については、十分に現状を検証し、必要なものについては国への要望などを考えていきたい。
(6)従来施設で機能は決まっていたが、多機能のサービスを提供できるようになった。選択によっては、新制度移行後減収になる場合があることも聞いている。この点についても、十分に実態を検証し、必要なものについては国への要望などを考えていきたい。


柳下委員

(1)生活ホームの場合は、身体障害者と知的障害者、グループホームやケアホームの場合は、精神障害者と知的障害者が対象となっている。グループホームなどには、身体障害者の行き場がない。これらの場合でも、日額制や単価の切り下げを行うのはおかしいのではないか。
(2)事務量については、障害者自立支援法の中では増大することが予想されていないのが問題である。県としては、市町村などとの関係でどのような対応をしているのか。
(3)県単補助の5%削減は、新体系に追い込むことになる。しかも、4月まで遡って削減を行ったとのことである。説明をしたとのことだが、要綱がなかなか出てこないような状態ではあった。今後このようなことはしない必要があり、来年度予算編成では障害者施設の実態に即して、特にグループホームとデイケア施設については予算要望として考えるようにしていただきたいがどうか。


障害者福祉課長

(1)県としては、グループホームに身体障害者を入れるべきだというのが基本的立場であり、県単でこれまで行ってきた。しかし、国の制度との整合性を取るという意味で、生活ホームについては日額制を導入した。しかし、運用面においては、例えば1泊2日については補助の対象とするなどして補助金をカットしない方法で行っている。このような点も含め、国の動向なども見ながら総合的に検討していきたい。
(2)事務量については、現在のところ市町村と議論は行っていない。至急、実態等を把握したい。
(3)5%削減の件については、今年度6月以降、県内の主な障害者施設、きょうされん等の身障、知的、精神障害者の関係5団体と協議し、意見も伺った。県としては、その後も団体等と話し合いを行っており、意見を聞きながら総合的に検討していきたい。


柳下委員

 障害者自身も頑張って欲しいし、家族も頑張ってほしい。そういった意味では、本人、家族、市町村を応援していくのが県の役割だと考える。県も、これまで単独補助を行うなど頑張ってきたと考える。しかし、今回のような突然のやり方は、予算も組んだ後であり、市町村も驚いたことだと思う。このようなやり方は今後すべきではない。答弁の中でも、話し合いをしながら検討をするとのことであるので、実態を把握し、予算編成にも反映させてもらいたい。(要望)


◆第148号議案「埼玉県病院事業企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例」に対する質疑


柳下委員

(1)第148号議案について伺う。育児と仕事の両立のために育児短時間勤務制度を設けることについては賛成である。しかし、この制度の導入に伴い補充される代替職員の確保が大丈夫なのか。現在、県立病院では年休などがきちんと取れているのか。聞くところによると、年休もきちんと取得できない状況にある。
(2)県立病院には院内保育所がないが、育児と仕事の両立の観点から、県はどのように考えているのか。
(3)看護師離職防止施設整備費補助について伺う。対象となる病院の宿舎に24の個室を整備するとのことだが、全体計画はどうなっているのか。また、定着のために効果があると考えているのか。
(4)葵メディカルアカデミーの関係である。全体的に福祉関係職員が集まらず、閉鎖したり、定員割れの実態がある。そういった意味で、このような学校が設立されるのは大いに意義がある。そこで伺う。葵メディカルアカデミーに対しては、これまでどのくらいの補助をしてきたのか。また、生徒募集をしているとのことであるが、本当に確保されるのか。


経営管理課長

(1)看護師の年休取得については、欠員が生じており、変則勤務ということもあり、調整が必要であり、完全に希望どおり取得できる状況にはない。しかし、休暇の取得日数としては、一定程度の取得ができていると認識している。育児短時間勤務制度については、希望は多いものと思われる。今後1月に職員に対して照会を行い状況を把握し、それに基づき2月以降代替職員の募集を行う。代替職員の確保については、看護師が全体的に不足している中、楽観はできないが、努力していきたい。また、育児休業から短時間勤務に移行する職員もいることから、プラスに働く側面も期待できる。
(2)院内保育については、病院ごとに看護師を中心に問題点を検討している。


医療整備課長

(3)看護師宿舎については、今回定員24人、全員個室で整備する。各部屋は25平方メートルで、25,000円である。これ以外に36人の宿舎があり、合わせて60人の宿舎となる。これを整備することにより、看護職員の定着が進むものと期待している。
(4)葵メディカルアカデミーについては、新設であるので、今回の補助が最初となる。また、3年制に歯科衛生士が変更になることに伴う補助がある。実施主体の葵学園については、平成11年度に埼玉医療福祉専門学校という理学療法士の学校を開設しており、施設整備と調度設備整備で、1億8,000万円程度の補助が国と県から行われた。


柳下委員

葵メディカルアカデミーについては、総額での補助金を伺ったのだが、いかがか。


医療整備課長

 葵メディカルアカデミーについては、施設整備費が2,344万9千円、初年度施設整備費等が歯科衛生士分550万円、理学療法士分354万3千円であり、合計3,249万2千円である。国庫補助10分の10で補正をお願いしている。


柳下委員

(1)現場からの声では、年休も満足に取得できないと聞いている代替職員を確保するよう努力するとのことだが、そのあたりがはっきりしないと効果が発揮できないと思う。職員に不安がないよう、必ず確保するようにしていただきたいと思うがどうか。
(2)知事も院内保育所や病後時保育も含めて、女性が働き続けられるようしていくという立場で答えているので、導入については是非検討していただきたい。具体的な見通しについて伺いたい。


経営管理課長

(1)常勤職員についても、試験を年1回から数回に増やしたり、条件等を見直し、枠を広げたりしているが、十分に確保できないのが現状である。代替職員についても、できる限り確保するよう努めたいが、必ず確保するとは言えないのが状況である。
(2)検討状況は、病院によって状況が異なる。例えば、ある病院では自宅近辺で保育ができる状況があるので、病院に子どもを連れてくるよりは自宅付近に預けた方がよいという意見もある。前向きには行いたいが、各病院の状況もあるので、今後も検討していきたい。


柳下委員

 代替職員を必ず確保するということを委員会として確認していただきたい。


病院事業管理者

 職員の確保については、これまでも病院局としては、病院内への手書きポスター掲示、看護師の幹部職員から個人的ルートでの働きかけ、埼玉県看護協会のナースセンターへの紹介の依頼など八方手を尽くして欠員がでないよう努力している。ご指摘頂いた点については、さらにいっそう努力し、代替職員の確保について不足が生じないよう頑張っていきたい。

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