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福祉人材の確保に関する要望書

                                 2008年10月3日
埼玉県知事
上田 清司 様
                                 日本共産党埼玉県委員会
                                 委員長 小松崎久仁夫
                                 日本共産党埼玉県議会議員団
                                 団 長 柳下 礼子

福祉人材の確保に関する要望書

 いま、高齢者や障害者の介護・福祉サービスの職場では、低賃金など様々な事情から離職者が相次ぎ、深刻な人材不足に直面し、利用者サービスへの重大な影響を引き起こし、このままでは介護や福祉の体制を崩壊させかねない危機的な状況が広がっています。
 日本共産党埼玉県委員会は、この3月来、日本共産党の「国民の願う高齢者介護・障害者福祉の実現を¾¾深刻な人材不足を打開するための緊急提言」(別紙)を県内の2400余の高齢者介護、障害者福祉の施設・事業所に送り、人材不足の現状や事業を運営するうえでの問題点、国など行政への要望などに関するアンケートと併せて訪問や懇談などによる調査をすすめてきました。
 これまでに100をこえる施設・事業所から回答がありましたが、回答には、「ハードな仕事の割に賃金が安く、生活できないから、他の職種に転職する。人材不足のため、お休みや休憩もとれなく、体をこわしてしまう」(デイサービスセンター)、「今の給与では結婚できないなどと、次々退職し、常時人手不足の状態だ」(高齢者介護施設)、「現状のままではとてもやっていけません。利用者、入所者は重度化がすすみ、職員負担は増大するばかりです。パートも集まりません」(高齢者介護施設)、「せっかく志を持って勉強してきた若手もあまりの給料の少なさに、福祉離れもかなり増えている」(障害者作業所)といった深刻な現場の訴えが多数寄せられています。(別紙アンケート概要)
 こうした深刻な人材不足は、介護保険法の改悪や障害者自立支援法の強行などにより、利用者に過酷な負担とサービスの利用制限を強いる一方、事業所にたいする報酬を引き下げてきたことに最大の原因があります。各地の事業所が経営危機に陥り、賃金カットや正規職員のパート化など労働条件の切り下げを余儀なくされているのが実情です。このままでは、高齢者介護や障害者支援の体制が崩壊しかねない危機的な事態ではないでしょうか。
 介護・福祉の現場で働く方々が誇りをもって、安心して仕事に打ち込めるよう、利用者の負担を増やすことなく働く人々の待遇・身分保障を改善することは待ったなしの課題です。国の責任は当然ですが、介護保険や障害者福祉の運営・実施主体は地方自治体であり、都道府県や市町村も人材確保に責任を負っています。
 よって県におかれましては、高齢者介護と障害者福祉の人材不足を打開するため、以下の対策を講じられますよう強く要望致します。

1.県として高齢者介護や障害者の施設・事業所で働く労働者の賃金や労働時間、定着率など、雇用と労働条件の実態調査をおこなうこと。
2.介護施設等における指導監査を強化し、施設の運営やサービスの実態にとどまらず、施設等で働く従業員の処遇改善や定着を図るための取り組みについても実態を把握し指導を徹底すること。
3.県内施設の福祉人材確保のために、福祉施設で働く職員の処遇改善のための補助制度の復活や施設運営に対する助成を拡充すること。
4.高齢者福祉施設の地域指定を改善すること。
5.国にたいして以下の対策を求めること。
(1)国の責任で全額公費による「賃金特別加算」措置を緊急に実施すること。
(2)介護事業所に対する報酬を実態に見合ったものに引き上げ、障害者支援の施設に対する報酬も「月額払い」に戻すこと。
(3)安全でゆきとどいた介護・支援が行われるよう介護・障害者福祉施設の職員配置基準を抜本的に改善すること。
(4)利用者負担を増やさないよう、国庫負担を増やし、社会保障費の削減計画を中止すること。
        以 上

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