BSE全頭検査に関する申し入れ
埼玉県知事
上田 清司 様
2007年6月7日
日本共産党埼玉県委員会
委員長 小松崎久仁夫
日本共産党埼玉県議会議員団
柳下 礼子
BSE全頭検査に関する申し入れ
厚生労働省は、都道府県などが自主的に実施している20か月齢以下の牛を対象にした牛海綿状脳症(BSE)検査に対する国の補助を、来年7月に打ち切る方向で検討に入ったとマスコミ等で報じられ、消費者や生産者の間で不安が広がっています。
食肉処理場でのBSE全頭検査は、わが国で初めてBSEが発見された2001年10月から国の制度として実施されてきましたが、米国産牛肉の輸入再開に至る経過のなかで日本政府は米政府の圧力に屈して、国産牛についても2005年8月に省令を改正し20か月齢以下の牛については検査しない措置をとりました。しかし一方で、「全頭検査を守れ」という消費者と生産者の一致した声に押されて、政府は都道府県の自主的検査に対する国庫補助を継続してきました。
わが国ではこれまでに、BSE感染牛が最初の1頭を除き31頭が発見されていますが、このうち死亡牛11頭を除く20頭が、食肉処理場での全頭検査で発見されています。感染牛は焼却されるだけでなく、飼料などの履歴が調査され、原因究明にも役立ちます。これに対し、米国のBSE検査は、わが国の全頭検査と異なり、その検査率は1%未満にすぎません。さらに、飼料規制もわが国のように牛の危険部位を含む肉骨粉を焼却処分することなく、牛以外の家畜に与えているのが実態です。
米政府はこのようなずさんなBSE管理を改善しないまま、わが国に対して輸入制限の撤廃を求めていますが、到底認めることができません。
全頭検査によって国民の国産牛に対する安全・安心が確保され、国産牛の消費が維持されている現状に照らしても、全頭検査体制を今後も維持し、その経費を負担することによって国の責任を果たすことが求められています。
よって県におかれましては、食の安全・安心を守るため、BSE全頭検査に対する国の補助を来年8月以降も継続するよう政府に強く働きかけるとともに、たとえ国の補助が打ち切られるような事態になっても県独自に全頭検査を継続するよう強く申し入れるものです。
以上