日本共産党埼玉県議団 あなたの願いを県政にとどけます
県政トピックス 政策・提案 県政調査費 子どもの笑顔が輝くまち 事務所ニュース 資料室 リンク集
HOMEへ   前へ戻る

県政トピックス

INDEXへ戻る

知事提出議案・請願の反対討論ー村岡県議

画像
鳩ヶ谷市の川口市への吸収合併は市民合意がない

脱原発へ、今こそ直ちに足を踏み出すべき
ーー村岡県議


村岡県議は、県議会6月定例会の最終日の7月8日、知事提出の議案と請願に関する反対討論を行いました。
知事提出議案に対しては、主に鳩ヶ谷市の川口市への吸収合併に関わる条例に反対しました。
請願に対しては、すべての請願についての委員会のとり扱いに反対して討論しました。

以下、討論の全文です。



日本共産党の村岡正嗣です。
私は、日本共産党県議団を代表して、知事提出の第88号議案、第89号議案、第91号議案、並びに第94号議案、及び、議請第10号ないし第16号に対する反対討論を行います。

はじめに、第91号議案「埼玉県立学校の学校医、学校歯科医、及び、学校薬剤師の公務災害保障に関する条例の一部を改訂する条例」についてですが、学校医らの献身的な働きに鑑みたとき、災害補償の算定額を引き下げることは、認めることは出来ません。 従って、本議案には反対であります。
 

次に、第88号議案、第89号議案、及び、第94号議案は関連しておりますので、一括して討論いたします。
まず、第94号議案は、平成23年10月11日から鳩ヶ谷市を廃し、その区域を川口市に編入することについての議決を求めるものです。
 わが党は、合併問題は両市民にとって非常に重大なことであり、将来に禍根を残すことの無いよう住民合意が不可欠であること、拙速な結論は避けるべきと考えます。しかしながら、今回、吸収される側の鳩ヶ谷市においては、「合併の是非は住民投票で決めるべき…」との世論が、現在に至るも極めて大きいと認識するものです。
 事実、2009年7月には、地方自治法に基づく市民から提出された「住民投票条例制定のための直接請求署名」8269筆が受理されております。
また、2010年10月24日投開票の市長選挙・市議会議員選挙においては、合併問題が最大争点となり、吸収合併反対を公約に掲げた2人の市長候補の得票率が50.1%と、合併完結を公約に掲げ当選した現市長の得票率49.9%を上回り、文字通り、町を二分する結果となりました。
本年、2011年2月には、再び、市民による「住民投票条例制定を求める直接請求署名」2973筆が受理され、市長より「合併の是非を問う住民投票条例案」が臨時市議会に提案されました。採決は、改選後の新議員15名によって行われ、可否同数、議長裁決により否決されました。
さらに、廃置分合の議案については、同じく、賛成7、反対7と、可否同数となり、議長裁決によって可決とされました。これは「可否同数は現状維持」とする原則に反するものであり、「住民主権を原則」に住民投票を行うべきと考えるものです。
こうした経緯からも、住民合意が不十分のまま、10月11日から鳩ヶ谷市を川口市に編入することは、明らかに拙速であること。両市及び両市民にとって、将来に禍根を残す恐れのあることから、わが党は、本議案には反対とするものです。
 続いて、第88号議案「知事の権限に属する事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」及び、第89号議案「鳩ヶ谷市の川口市への編入に伴う関係条例の整備に関する条例」についても同様の理由から反対です。


次に請願についてです。 
議請第10号「教育基本法・学習指導要領の目標を達成するため、最も適した歴史・公民教科書の採択を求める請願」について、委員長報告は採択ですが、わが党は、不採択を求めるものです。
教科書採択は、あくまで日本国憲法の精神に基づき、教育基本法など法律の全体に従って、不当な支配に服することなく行われるべきと考えます。しかし本請願は、教育基本法の改定で新たに「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する」ことが、教育の目標の一つとして示されたとして、教育委員会の委員そのほか学校関係者に、この改訂の趣旨の徹底を図ることなどを求めていますが、教育基本法の目標のごく一部だけをことさら取り上げて、「この趣旨を徹底せよ」とすることは、結果として特定の教科書を採択せよと、議会が教育委員会に圧力をかけることになりかねません。従って、本請願は不採択とすべきであります。

続いて、議請第11号「夫婦別居・離婚後の親子の面会交流を担保する特別法制定と面会交流支援について国への意見書提出を求める請願」について、委員長報告は採択ですが、わが党は、慎重な対応を求める立場から反対です。
夫婦別居・離婚後の親子の面会交流を求める県民の願いは切実であり、十分理解できるものです。しかし、DV被害の現状等を勘案しますと、面会交流が担保され、強制力が発生することから、強い懸念を抱くものです。

続く、議請第12号「義務教育国庫負担制度の堅持を求める請願書」は、委員長報告では「地方の自主財源の拡充を図ることが大きな課題になっている現状を勘案すると、この請願内容は現実的ではない」として不採択ですが、わが党は、採択を求めるものです。 日本国憲法の下、自治体の財政状況によって義務教育に格差を生ずることがあってはなりません。安定的に教育予算が確保されるためにも、義務教育の維持充実に国が責任を負うのは当然なことであります。

次に、議請第13号「脱原発へ 国の政策転換を求める請願」ですが、委員長報告では、国内発電量の多くを原子力発電に頼っている現状で、原発全廃の選択をすることは、国民生活に大きな混乱を起こす恐れがあるなどとして、不採択とのことです。しかし本請願は、原発の特別な危険性に鑑み、脱原発へ国の政策方針の転換を求めているものであって、直ちに1,2年で原発すべてを無くすことを求めている訳ではありません。
現在、日本の発電量の25.1%を原発が占めていますが、10年程度をかけて、総電力量を省エネにより1割削減し、現在9%の自然エネルギーによる電力を2.5倍程度に引き上げれば、原発による発電量をカバーすることは可能です。
福島県の双葉町の住民はじめ、原発事故で故郷を離れざるを得なかった人々の苦悩は計り知れません。原発事故という重大で深刻な事態に直面しているこの時をとらえ、脱原発へ足を踏み出すべきです。従って、わが党は、本請願の採択を強く求めるものです。

up