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県政調査費の一部返還を求める住民監査請求棄却の決定について

党県議団が、談話発表
「県政調査費の一部返還を求める住民監査請求棄却の決定について」

6月22日、日本共産党埼玉県議団は埼玉市民オンブズマン・ネットワークから提出された「県政調査費の一部返還を求める住民監査請求」が5月27日棄却されたことについて談話を発表しました。

同ネットワークは、公開されていた2009年度の各党の県政調査費について、総額2824万円の返還を求める監査請求を行っていました。その中には共産党県議団に対する239万6310円も含まれています。今回の談話は、この共産党の返還要求に関するものです。


談話の内容は以下の通りです。



記者発表
2011年6月22日
日本共産党埼玉県議会議員団
団 長  柳下 礼子

県政調査費の一部返還を求める住民監査請求棄却の決定について(談話)

 埼玉市民オンブズマン・ネットワークから提出された埼玉県議会県政調査費の一部返還を求める住民監査請求に対して埼玉県監査委員がこのほど請求を棄却する決定を行った。
  同ネットワーク(以下「請求人」)はこんどの住民監査請求でわが党議員団に対して、調査研究費や広報紙(誌)等発行費、人件費等について総額239万6,310円の返還を求めているが、この返還請求を棄却した監査委員の決定は妥当であると考える。
 以下、返還請求があった項目についてわが党議員団の見解を明らかにしたい。
 第一の「調査研究費」について、請求人は2件の交通費(ガソリン代)について、「必ずしも訪問先までの間だけの通行行程とは考えられない」として80%の返還を要求しているが、その根拠が示されていない。
 交通費の1件目は、2009年10月10日に群馬県前橋市で開催された「八ッ場ダムを考える学習会」に出席するため、わが党議員団事務局員が運転する自家用車で所沢市在住の柳下礼子議員が圏央道・関越自動車道を利用して現地に出向いたもので、その行き帰りの走行距離(199キロメートル)に応じたガソリン代と高速料金を合算したものを調査費として計上したものである。請求人は高速料金を除くガソリン代(3,582円)の80%の返還を求めているが、片道距離は約20キロメートルにしかならず、所沢・前橋間を往復することは不可能である。
 また2件目は、2009年11月13日、12月県議会一般質問を前に八ッ場ダム建設地である群馬県長野原町を視察した際、柳下礼子議員が党議員団事務局員が運転する自家用車で現地と所沢市とを往復(走行距離322.6キロメートル)したものである。請求人は高速料金を除くガソリン代(5,800円)の80%を返還するよう求めているが、これでは往復65キロメートルの走行距離にしかならない。
 走行距離はいずれもクルマのメーターに基づいて正確に申告し、県庁職員が公用で自家用車を使用した際に支弁される「1キロ当たり18円」を基準に費用を算出したもので、請求人の返還請求には何ら合理的根拠がないと考える。
 次に、請求人は「広報紙(誌)等発行費」について、広報紙であるにもかかわらず、これが非公開となっているので違法行為であるという理由で、「県政だより」や「県政資料」等の印刷・発送代のうち「50%按分」した残りの額について返還を求めている。
 広報紙(誌)である以上、公開するのは当然であるとする請求人の主張にはわが党も同感であり、運用指針で広報紙(誌)の現物の提出を義務づけていないのは問題であると言わなければならない。しかし、運用指針で提出を義務づけられていない現状で、当議員団の広報紙(誌)のみが公開に付される状況にないことも言うまでもない。一部会派のみの現物を公開するとなれば運用指針の運用において著しく公正を欠くことになるからである。但し、請求人が広報紙(誌)の現物が現にあるかどうかを確認することは各会派に個別に問い合わせれば可能であり、当議員団としては公開請求があれば、これに応じる用意はいつでもある。
 次に、人件費についてである。請求人は、補助職員の交通費について、「通勤用定期券は土日祭日すべてが含まれているので、必ずしも全額がその費用に使われたとは思えない」として、20%の返還を求めている。しかし、監査委員の決定でも述べられているように、土日祭日を除いた定期券がない以上、六ヶ月定期券が最も安価であり、請求には理由がない。
 次に、事務所費について、請求人はパソコンソフト代やNHK受信料、複写機使用料、固定電話料などについて「必ずしも全額が県政調査費に使われたとは思えない」として20%の返還を請求しているが、当事務所は会派としての部屋がなく事務職員全員が常駐して政務調査活動の補佐ができないため、「埼玉県議会議員柳下礼子・山川すみえ事務所」として、調査活動の拠点として県議会の近くに設置したものである。柳下議員も山川議員(当時)も、それぞれ選挙区である所沢市とふじみ野市が政治活動の拠点であり、さいたま市浦和区内に政治活動上の事務所を置く必然性は全くない。従って、当事務所では専ら両議員の政務調査活動を補佐する目的で事務職員が常駐して仕事をしており、諸経費の20%を返還する理由はないと考える。
 県民の税金で賄われている県政調査費の使途については、もとより透明性が求められており、わが党は他党派に先駆け出納簿や領収書の自主公開に応じるとともに、議長や県議会各会派に対しても領収書等の証拠書類の公開を求めてきた経緯がある。
 県政調査費の使途公開を求める県民世論の広がりを受けて県議会は2009年4月に「県政調査費の交付に関する規程」を施行し、収支報告書に「領収書その他の支出の事実を証する書類(証拠書類)」の添付を義務づけることとしたものの、「会派の自主的な調査研究活動に支障を及ぼす恐れがある場合」は提出の例外とする規定を盛り込むなど全面公開という点で不十分さを残している。
 わが党議員団は、監査委員から指摘された運用指針の見直しも含めて、県政調査費の使途についてより透明性を高めるため引き続き全力を挙げる決意である。
以上

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