“民間に譲渡せず充実して”
奥武蔵あじさい館で飯能市議団が要望

　高齢者や障害者などが低額で利用できるレクレーション・休養施設として人気の高い県立奥武蔵あじさい館（飯能市吾野）を民間に譲渡することも含めて県が施設のあり方を検討していることが明らかになりました。県が地元飯能市に意向を打診していたもので、日本共産党飯能市議団は７月３０日、上田知事に宛てて民間譲渡を行わず地域の福祉施設として充実を図るよう申し入れました。

　この日、県庁を訪れた金子敏江団長ら市議団の一行は柳下礼子、山川すみえ両県議とともに福祉部の岩橋薫副部長と会い、上田知事宛の要望書を手渡しました。席上、金子団長は、あじさい館が高齢者や障害者、母子家庭の家族などの健康増進と福祉の向上に大きな役割を果たし、地元の雇用創出と活性化にも貢献してきたとして、同施設を民間に譲渡するのではなく、引き続き県の福祉施設として存続させ、施設の充実をはかるよう求めました。

　これに対し、岩橋副部長は「同様の施設が周辺にできてきて、施設の必要性が薄れてきている。民間譲渡と結論が出ているわけではないが、今後１年をかけて施設のあり方を検討しているところだ」と述べ、地元飯能市の意見も聞きながら、施設のあり方について部内で検討していく考えを示しました。

　金子団長らは、「同施設が指定管理にされる前には、市と施設が協議をしながら地域と連携して様々な取り組みを行い利用者も多かった」として、民間譲渡を前提にするのではなく、地域の中核的な施設として活性化していく方向で施設のあり方を検討するよう重ねて求めました。