9月議会閉会にあたって
9月議会閉会にあたっての柳下団長の談話
10月15日の議会閉会後、柳下礼子県議団長は、以下の内容の談話を発表しました。
2009年10月15日
日本共産党埼玉県議会議員団
団 長 柳下 礼子
2009年9月定例県議会の閉会にあたって(談話)
一.今定例会には知事より平成21年度埼玉県一般会計予算案や同埼玉県病院事業会計補正予算案、私立高校生修学支援基金条例など、24件の議案が提出され、閉会中の継続審査となった平成20年度埼玉県の一般会計及び特別会計決算と同埼玉県公営企業会計決算の認定を除く22件が原案どおり可決された。
わが党は、久喜市・南埼玉郡菖蒲町・北葛飾郡栗橋町・同郡鷲宮町の合併を認める「市町の配置分合について」及び人事委員会の勧告に基づいて県職員の給与月額や期末・勤勉手当などを引き下げる給与関連議案4件の議案に反対した。
一.可決された約380億5,400万円にのぼる平成21年度県一般会計補正予算は、前政権下で成立した今年度政府補正予算を受けたものであるが、その内容は社会福祉施設の耐震化や介護基盤の緊急整備、私立高校父母負担軽減、離職者に対する住宅手当の支給、子育て支援の総合的な環境整備、中小企業のための緊急借換融資の創設、緊急雇用創出基金を活用した雇用創出事業など県民生活と福祉の向上を目的とした歳出が中心である。このためわが党はこの予算案に賛成した。
一.今定例会の一般質問では、前原国交相の「八ッ場ダム建設中止」の表明を受けて、八ッ場ダム建設問題が焦点となった。しかし、質問は八ッ場ダム建設中止に反対する立場からのもので占められ、しかも同じような質問が繰り返されるなど、議場は「八ッ場ダム建設推進大会」の様相を呈した。わが党は一般質問の機会が与えられなかったため、この問題を取り上げることができなかったが、八ッ場ダム建設中止を表明している民主党の会派からこの問題に関する質問が一切行われなかったのは全く理解に苦しむものである。
しかも民主党は、市民団体から提出された「八ッ場ダムの建設を中止し、地元住民の生活再建と地域再生のための対策を求める意見書提出を求める」請願についても、「今日に至っても治水・利水に対する意見が分かれているということは、情報が未だ不透明な部分があることに起因している」「八ッ場ダム事業については、すべての情報を徹底検証すべきである」として自民、公明などとともに請願を不採択とした。国交省が八ッ場ダム建設に関する情報を全面的に開示していないことは問題だが、これを理由に八ッ場ダム建設中止を求める住民の請願を不採択とすることは、自らの公約を反故にすることに等しく極めて無責任な態度と言わなければならない。自民党が提出した「八ッ場ダムの建設推進を求める意見書」に対して民主党が統一した立場をとれず、賛否が分かれたことも、県民の批判を免れないものである。
一.わが党は今回の議会で一般質問の機会はなかったものの、知事から追加提出された県職員等の給与関連議案に対して本会議の質疑に立つなど、限られた機会を生かして論戦に臨んだ。また、「八ッ場ダムの建設中止」の意見書提出を求める請願や、自民党から提出された「八ッ場ダムの建設推進を求める意見書」案に対しても本会議での討論を行い、新政権の対応について、ダム建設予定地の住民感情や関係都県などへの配慮を欠いたものであると批判する一方、八ッ場ダムが利水上も治水上もその必要性がなく、水没地区住民の生活再建と地域振興のためにも八ッ場ダム建設を中止し、吾妻渓谷などの自然を生かした地域再生を進めることが現実的であると主張した。
一.10月8日行われた企画財政委員会で八ッ場ダム建設の中止を求める請願を審議した際、一部の議員から紹介議員の説明を求める意見が出され、わが党議員に出席要請があった。しかし、8つの常任委員会が同時開催され、わが党議員が所属する委員会が審議中であるにもかかわらず一方的に「午後1時」までの出席を求めてきたため、結果として出席できない事態となった。
このためわが党は企画財政委員会の委員長に直ちに抗議するとともに、10月13日に議長並びに議会運営委員長に対して、請願審査に関して、@請願提出者に説明の機会を与えるための公聴会・参考人制度を積極的に活用することA委員会規程に「紹介議員の出席・説明」に関する規程を新たに設けることB参考人や紹介議員の委員会出席については、説明に必要な時間を保証するとともに、日時の設定についても他の委員会審査や相手の都合に極力配慮すること、の3点を申し入れたところである。
以上