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公務員のボーナス引き下げー山川県議反対討論

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臨時県議会で山川県議反対討論
「この時期の職員の給与引き下げはルール違反 内需拡大に反する」

 
 5月29日に開かれた臨時県議会で、県職員と学校職員のボーナスを引き下げを実施する条例が、自民・民主・公明・刷新の賛成で可決されました。日本共産党は、山川すみえ県議が反対討論を行いました。内容は以下の通り。
 なお、知事や教育長、県会議員のボーナス引き下げ条例に、共産党は賛成しました。


 ○山川県議の反対討論
 今回の人事委員会の勧告どおり夏季一時金の支給割合を0.2か月暫定的に凍結した場合、一般行政職で平均約8万円の削減となります。
 人事委員会の勧告にも述べられていますように、県職員の賃金は本来、前年8月からその年の7月までの1年間に支払われた民間事業所における特別給の実態を把握したうえで、年間の支給月数を調整することが基本となっています。

 ところが、今回の「勧告」は、今年4月24日から5月12日までの3週間足らずの期間、それも調査対象の256社のうち夏季一時金の決定済み企業が32社とわずか14.7%に過ぎないなかで、この調査をもとに凍結を勧告したものです。

 「勧告」を早めたことについて人事委員会委員長は先ほどの質疑に対して、「委員会の調査で、夏季一時金の決定企業では昨年に比べ約15%という大幅な減少が見込まれることが分かった」ためとお答えになりましたが、県内のわずか32社の夏季一時金の決定状況だけをみて「勧告」を出すことは、あまりにも性急で、ずさんなやり方ではありませんか。しかも、「夏季一時金の減額幅は今後変動する可能性がある」と認めているのですから、無責任も甚だしいと言わなければなりません。こうしたやり方は、どんな口実を設けようとも、国の人事院同様、従来の賃金決定ルールを無視するもので、一時金削減の「結論」先にありきという誹りを免れないと考えます。

 県人事委員会の「勧告」に先だって、国の人事院は国家公務員の夏季一時金を0.2か月分凍結する勧告を行っていますが、こうしたルール無視の異例な特別調査の背景には、財界による賃金削減方針と、総選挙を前に公務員バッシングを政治的に利用しようとする政府与党の思惑があるとしか考えられません。

 県人事委員会がこうした財界の狙いや政府与党の政治的思惑に追随し、人事院に倣って特別調査に基づいて前倒しで「勧告」に踏み切ったことは、労働基本権制約の代償機関としての役割を自ら放棄するものであり、人事委員会の中立性、独立性に対する職員と県民の信頼を損ねるものと言わざるを得ません。

 知事は、公共事業における「真水」を増やしたとか、県民生活を守るセーフティネットを充実したとか経済対策に力を入れていることを強調されましたが、その努力は一部認めるものですが、日本経済の6割を占めるのは個人消費であります。個人消費を温める以外に、内需を拡大することはできません。公務員の夏季一時金削減は、春闘の最中にある民間中小企業の賃金を押さえ込むだけでなく、審議が始まる地域別最低賃金改定にも大きな影響を及ぼし、結果として消費全体を冷え込ませる役割しか果たせないことは明らかではないでしょうか。

 内需拡大による景気回復が求められ、政府も経済対策と称して過去最大の補正予算を国会に提案していることは皆さん周知の通りであります。そうした政府の政策に照らしても内需拡大に逆行する公務員の一時金削減を敢えて前倒しで行わなければならない道理はどこにもありません。

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