全国的に進む少人数学級。埼玉県の現状は?

全国的に進む少人数学級。埼玉県の現状は?

少人数学級とは

子供が学校に通い始めると、幼児期とは違った心配をするようになります。

「うちの子は勉強についていけるだろうか」
「友達はできるだろうか」
「いじめられないだろうか」

幼稚園・保育園など様々な環境で育った子供たちが、集団生活を身に着けるのは、心と体に負担がかかるもの。各家庭でのしつけが前提になる一方で、学校側にもゆとりを持って自分の子供に向き合って欲しいところです。

日本の公立義務教育学校の1クラスの人数は、法律により40人(複式学級・特殊学級を除く)とされてきましたが、2001年の改正で特例的に40人を下回ることが認められました。現在では、各都道府県の負担で各教育委員会が少人数学級を実施することができます。

少人数学級の先進、山形県

山形県では、2002年から少人数学級を導入、小学校1~3年からスタートし、2011年からは中学3年まで拡大されました。実施後、山形県の小学校学力偏差値は上昇し、国語の全国学力テストで全国4位を記録しています。

また、導入前は全国平均程度であった不登校児童の発生率は、平均を大きく下回る0.24%まで下がりました。山形県では2013年から、特別支援学級の少人数化(1クラス8人→6人)も実施されています。

また、秋田県では少人数学級と少人数授業を軸とした少人数学習推進事業が行われています。いずれの県でも、少人数学級の導入とその特性を生かした指導の工夫により学力向上と欠席率の低下などの効果があり、生徒・保護者・学校とも充実した学校生活を送っています。

埼玉県での少人数学級の現状は?

そんな中、行田市では、2006年度には中学校3年生へ少人数学級を拡大しました。中学校全体に少人数学級を導入されたのは全国で初めてのことです。
2015年度からは、小中学校全学年で少人数学級を実施しています。

埼玉県では現在、小学校1・2年生と中学1年生での少人数学級の導入にとどまっています。
県内、どの自治体でも生徒が抱える課題は学年が変わっても存在しており、各市町村の努力ではなく、県の制度としてすべての学年での少人数学級の導入が求められます。